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入れ歯だってちゃんと噛める!

2018年5月11日

入歯は皆同じ?



歯を失うとインプラントやブリッジなどの欠損歯を補う治療をしますが、入れ歯もその中の一つです。特に、失った歯の数が多くなるとブリッジは難しくなりますし、インプラントでは大きな費用がかかります。また、歯周病で歯を失った場合などは、インプラントのチタンネジを埋入する土台となる骨、歯槽骨が失われて適用が難しくなります。

一方で、入れ歯に対する抵抗感は小さくありません。装着すると違和感がある、痛い、食べ物の味が違って感じられる、動くのが不快、など入れ歯への不満と悩みは尽きません。また、8020運動で80歳に20本以上の歯を残すことが認知症を防ぐことにもなるという認識が広まって、入れ歯にすることが、認知症につながると考える方さえいます。

しかし、歯を残すことが認知症の防止につながるというのは、咀嚼力が維持されるかどうかが重要です。入れ歯にすることで咀嚼力が落ち、食べるものが制限される。あるいは、食べることそのもの楽しみが減って、活動的な生活をしにくくなるといったことが、ひいては認知症にも繋がる可能性があるということです。

食事は人生の楽しみ



入れ歯が違和感を感じさせたり、咀嚼力に不満が出る理由は色々ありますが、その中でもっとも大きいものに入れ歯がしっかりと固定されておらず、硬いものを天然歯のように噛み切ることができないということがあります。これは入れ歯が、金具で歯に留めていて、いわば歯茎の上に乗ったような装着をしているからです。入れ歯固定剤でなるべく動かないようにすることで、かえって入れ歯が固定剤の厚みで位置が一定しなくなったり、不潔になりがちという問題があります。

入れ歯はクラスプで歯に留められる



これに対し、インプラントはチタンネジを骨に固着した上に人工歯を装着するので場合によって天然歯以上に強く咀嚼することができます。実際、インプラントはあまりに強く固定されているので、インプラントの対合歯(反対側の歯)の天然歯が、痛んでしまわないように噛み合わせを慎重に考慮して装着しなければいけないほどです。

インプラントでは人工歯はチタンネジの上に固定される



しかし、保険適用に限らなければ入れ歯にもインプラントに迫るようなしっかりとした咀嚼力を回復できる方法があります。一つはマグネット・デンチャーと言われる、留め金(クラスプ)の代わりに歯(支台歯)につけた磁石と磁石どうしで固定させる方法です。マグネットデンチャーは固定する力が非常に強く噛み合わせの位置も安定しています。

もう一つのタイプはコーヌスデンチャーと呼ばれるタイプです。コーヌスデンチャーは歯に内冠を付け、茶筒の蓋をかぶせるように入れ歯を装着します。茶筒の蓋を引っ張り上げようとすると外気の力でなかなか抜けないようにコーヌスデンチャーも強く固定され簡単に外れるようなことはありません。

コーヌスデンチャーの内冠



マグネットデンチャーでは、支台歯がない場合はインプラントを埋入し、それに磁石を装着する方法もあります。インプラント入れ歯の両方を使うことで、インプラントに迫る咀嚼力を入れ歯でも得ることができるのです。保険適用でなくても多くの場合、入れ歯は多数のインプラントの埋入を行うより費用は安く済みますし、何より外科処置が必要ないだけでなく、顎の骨の厚みなどの制限が少なく内科的疾患を考慮することもあまりありません、より幅広い方に咀嚼力を回復する方法と言えるでしょう。

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