インプラント治療(続き)

2月 5th, 2012

続き)どうしてインプラントではトラブルが発生するのでしょうか。

インプラントでは、純チタンでできた人工歯根(インプラント体)を欠損部の骨に埋め、人工歯根の上部に歯を作ります。歯の根を人工で作るわけですから、咬み心地はほぼご自分の歯と同じです。固いものを噛んでぐらつくようなことはありませんし、義歯のように装着部分によって熱や触感が遮断され、食味が十分に味わえないこともありません。

しかし、インプラント以外の歯科治療が歯にかぶせ物や詰め物をしたり、義歯のように歯茎に技工物を装着させるのに対し、骨に直接土台となるネジを埋め込むという治療法は、それを行うための注意が新たに必要となります。

インプラント体を埋める顎の骨の周りには、歯根・神経・血管・鼻腔・上顎洞などがあり、手術の際にこれらを傷つけないように十分注意が必要です。滅菌を十分に行うことはもちろん、手術前にレントゲンやCTを撮り、詳細な診査を行うことが必須となります。

また、インプラント体がしっかりと骨に固着するには骨がある程度しっかりしていることが条件になります。歯周病は歯を失う最大の原因ですが、インプラントでも歯周病のコントロールがきちんと行われていないと失敗につながります。

インプラント手術は30分-1時間程度で、麻酔をかけて行うので痛みは伴いませんが、全身疾患のある方にはお勧めできません。ヘビースモーカーであることもインプラントの成功条件としては不利になります。

さらにインプラントの装着が終わり、自然歯の機能を回復しても、清掃、咬合調整などのメンテナンスは大切です。口の中は絶えず変化していています。口腔内全体の清掃状態・かみ合わせのチェック、クリーニング、ブラッシングをきちんと行うことが長くインプラントを使い続けるために必要です。

インプラントによるトラブルの原因は、これやの注意や作業をきちんとしなかったことが大部分だと思われます。特に手術前の適合性のチェックを十分に行わず結果的に無理な治療につながった場合、多大の費用と時間(インプラントではネジを骨に埋め込んで、それが固着されるまで3カ月程度必要です)を使ったにもかかわらず、人工歯が安定しない危険性が高くなります。

逆に、全身状態を含めた適合性のチェックをしっかり行い、熟練した歯科医が手術して、その後のメンテナンスも怠らなければ、インプラントは失った歯に自然歯の機能を回復させる優れた治療法です。

今日ではインプラントとブリッジ、義歯を組み合わせて行う治療も広がっています。患者様お一人お一人の口の中、歯の状態は皆違います。現代の進歩した治療法の最適な組み合わせを提供することが歯科医の務めなのだと思います。

 


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