インプラントの1回法と2回法

2017年11月1日

インプラントは歯を失ったとき、天然歯の代わりにチタンねじを顎骨に埋め込み、そこに人工の歯を装着する方法です。インプラントは入れ歯と比べ咀嚼力が強く、自分の歯と同じような感覚で物を食べることができますし、ブリッジのように健全な両側の歯を削るような必要もありません。

インプラントは優れた治療法ですが、チタンネジを骨に埋め込みという手術が必要です。そして、チタンネジが骨としっかりと一体化して固着するまで数か月の期間が必要となります。
その時チタンネジの一部を露出する方法とネジのを露出させない方法があり、前者を1回法、後者を2回法と呼びます。後者を2回法というのは、チタンネジを露出させるための手術を再度行う必要があるからです。

インプラントの土台のネジの一部を露出させる1回法（左）と露出させない2回法（右）

１回法は2回手術を行う必要がなく、治療期間も全体として短くなります。これに対し2回法は治療機関が多少伸びますが、よりチタンネジを安定して固着させ成功率が高くなると考えられています。
1回法と2回法は方法の違いもありますが、メーカーによりどちらかしか提供していない場合もありますし、両方のタイプを販売しているインプラントメーカーも部品自体は違うので、多くの歯科医院では1回法と2回法のどちらか一方を提供することが多くなっています。
マナミ歯科クリニックでは汎用性が高い（適応性が高い）という理由で2回法のインプラントを行っています。もちろん1回法がいつも危険ということではなく、どちらかを選ぶならより安全なタイプを選択しているということです。
インプラントには1回法、2回法だけでなく様々なアプローチがあり、そのすべてを提供することは歯科医院としては現実的ではありません。リスクとメリットのバランスは治療技術の進歩により変わってくるので、それを見据えながら最善の治療をするのが私たちの責務だと考えています。