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インプラント治療の心配ごとにお答えします(3) インプラントは危険?

2015年6月28日

歯を失った時に咀嚼力の回復という点で、インプラントは他の義歯、ブリッジによる方法より圧倒的にすぐれています。咀嚼力だけではありません。使用した場合の違和感(異物感)、耐用年数の点でもインプラントの優位は動きません。1965年に行われた、チタンネジを用いた世界で最初のインプラント施術では、施術当時34歳だった患者は、2006年に亡くなるまでの41年間そのままインプラントを使用し続けました。その後、世界中で無数といってよいほどのインプラント治療が行われ、世界的にはインプラントは歯を失った場合のもっとも標準的な治療法として確立されています。

そのインプラントが最近不信感を引き起こしています。インプラント施術後、腫れや痛みさらにはしびれが残る。前歯にインプラントで人工歯を入れたが、人工歯が露出して審美上大きな不満が残ったなどの例が報告されています。また、長期間使用可能であるはずが、数年で使えなくなるような問題も起きています。最悪のケースで手術中に動脈を傷つけ亡くなって裁判になったものもあります。インプラントは怖い、高い、不安だから避けたい、このようにお考えの患者様は昔より増えています。

しかし、人間が生きていく中で食事は非常に大きな位置を占めています。歯を失ってもできるだけ完全な咀嚼力を回復したい、審美的にも天然歯のような美しさ、いやせっかく人口歯にするのだからもっと美しい歯並びにしたいという要望は切実なものです。安全なインプラント治療を実現するにはどうすれば良いのでしょうか。

日本では1980年代以降急速にインプラントが開業医を中心に広がりました。インプラントは十分な知識と訓練を受けた歯科医師が行うべきですが、施術自身は歯科医師免許があれば法律的には問題がありません。実際には、インプラントのためのセミナーをインプラントシステムのメーカーなどが行っており、そのセミナーを受講しないと器材を販売しない、つまり最低限の知識を持たないとインプラントを自分の診療所で行うことはできないのですが、それだけで十分な技術が身に付くというわけにはいきません。インプラント関係のトラブルの増加が、歯科医院の経営の支えとしてインプラントに飛びついた歯科医師の未熟さに起因したものが多いのは事実でしょう。

さらに、インプラントはインプラント施術のスキルがあればそれで良いというものではありません。インプラントによる噛み合わせの変化で十分な咬合力が得られるかというのは義歯やブリッジと同様の補綴(ほてつ)と呼ばれる分野の知識が必要です。人口歯を美しく作るには審美的な力量が必要ですし、施術にあたっては血管など内部組織の解剖学的な理解が求められます。また、インプラントで装着された人口歯は虫歯にはなりませんが、歯周病にはなりえます。インプラントの成功はその後のメンテナンスにかかっていると言っても過言ではありません。インプラントは歯科の総合力が問われる治療法と言えます。

インプラントを行う場合、歯科医院はこのような歯科として総合的な治療を行うことができる体制がなくてはいけません。機材の整備も大切です。CTは今ではインプラントを行う上では必須です。CTによりレントゲンだけでは得られない、顎の骨の状態を詳しく知ることができます。これにより血管の損傷などによる大きな事故の可能性を格段に減らすことができます。完備されたオペ室もインプラント施術に求められる環境を得るためにこれからは必須のものとなっていくでしょう。

インプラントが適用できるかどうか、十分に診断を行うことが必要です。埋入するチタンネジをしっかりと骨はしっかりと支える厚みをもっているか、他の歯への影響は大丈夫か。インプラントは頑丈なチタンネジの上に人口歯を装着するので反対側の歯(対合歯)を痛める可能性があります。チタンネジを打ち込む場所や方向を決めるのは特に重要です。インプラントシステムのメーカーのノーベルバイオケアは歯科医師の判断を助けるためにコンピュータ上でインプラントのシミュレーションを行うソフトウェアを提供しています。この他、患者様の体調も重要な要素です。高血圧や糖尿病は施術を難しくします。インプラントは成人病の年齢に達している患者様に適用されることが多いため、内科的な考察も行わなければなりません。

歯科治療の中でインプラントは革命的なものと言えます。インプラントで初めて失った歯の咀嚼力をほぼ完全に回復することが可能になりました。しかし、インプラントは高度で幅広い知識と十分な経験、技術を必要とする治療法です。それは歯科医師一人ではなく歯科衛生士、その他のドクター陣など歯科医院の治療インフラがあって安全に実施し成功に導くことができると言えるでしょう。

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インプラント治療の心配ごとにお答えします(3)インプラントは危険?

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マナミ歯科クリニックのインプラント治療

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