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マイクロスコープを活かせる治療、活かせない治療

2020年5月24日



マイクロスコープとは歯科用顕微鏡のことです。患部を20-30倍に拡大することで、肉眼では見ることの出来ない細かな部分を、確認することで診断と治療両方の質を向上させることが可能です。しかも、拡大画像をモニターに映し出して患者も確認することも、記録をすることもできます。

しかし、マイクロスコープは急速に普及され始めてはいるものの、日本の歯科医院での導入数は数%程度にとどまっています。そして、マイクロスコープを導入している歯科医院でも必ずしも十分に活用されているとは言えません。なぜなのでしょうか。

マイクロスコープを使って根管治療を行っている様子



虫歯治療は、目に見えない細菌との戦いです。そして口腔内は暗く、その中で小さな虫歯を治さなければなりません。従来、根の神経治療や詰め物、被せものの治療は、指の勘感覚に頼ることが多く、術者の勘や経験が予後に大きく影響を与えていました。術中に治療箇所に細菌が侵入することで、再治療あるい抜歯しなければならないことも少なくありませんでした。

マイクロスコープを使用すると今まで指先の感覚に頼っていた治療をはっきりと目で確認して行うことができます。歯の根の部分の治療、根管治療では、虫歯によって汚染された根管を確実に清掃、除菌することが可能です。

根管は神経が納められていた部分で、抜髄(神経を除去すること)した後、残された部分です。しかし、根管は細かく複雑な形態しているため、マイクロスコープにより肉眼では見逃していた根管内の汚染に対する取り残しを防ぐことで、精度の高い治療を行うことができ、再治療のリスクを小さくすることができます。

また、詰め物や被せものの治療を行なう際も、歯を削った面と詰め物被せ物がぴったりと合っているかをより精密に確認することができるため、再び虫歯に侵されるのを防ぎ、より審美的に仕上げます。さらに、歯周病の治療や手術の際に用いることにより比較的痛みを抑えることができます。

しかし、根管内への細菌の混入はマイクロスコープを使用するだけでは防ぎきれません。ラバーダムというゴムのシートで患部に細菌を大量に含んだ唾液が入り込む防湿処理と合わせることで、初めて効果を発揮します。ラバーダムなしで、マイクロスコープだけを使用しても大きな治療効果を得ることはかならずしもできません。

虫歯はラバーダムで歯を覆って唾液の侵入を防ぐことが必要



また、マイクロスコープは取り回し難しく、拡大鏡(ルーペ)や肉眼での治療と比べると自由度は劣ります。ミラーテクニックも重要で術者の経験が治療の成功に大きな影響を与えます。さらに、インプラント治療で使用する際は、埋入方向や角度が重要になってくるため、マイクロスコープだけに頼らず全体の把握を行うことが必要です。

歯科用マイクロスコープ



マイクロスコープは、CTが3次元で治療個所の内部を見ることと同じように、歯の治療の基本となる「見る」能力を飛躍的に高めました。しかし、マイクロスコープを導入しただけでは、その威力を活かすことはできません。術者の技量、ラバーダムの使用など、と一体になって初めて治療の質を高めることが可能になるのです。

(福田先生記)

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