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嘔吐反射がある時の静脈内鎮静下の歯科治療

2019年9月11日

歯科治療で吐き気を催すことを嘔吐反射と言います



嘔吐反射は口の中に異物を入れられた時に吐き気を催すことです。えずきという言い方をすることもありますし、医学的には異常絞扼(こうやく)反射と言います。「異常」という言葉がある通り、異物を入れらて吐き気を催す絞扼反射は生体防御反応として適切なものです。舌の根元や喉の奥を硬いもので刺激されると吐き気を感じるのは正常です。

嘔吐反射は歯科治療の際に起きやすいものです。歯科治療ではミラーや唾液を吸い取るバキューム、歯の型取りを石膏で行うなどの器具や歯科材料という異物を口の中に挿入します。ある程度吐き気を感じることは多くの人が経験しています。しかし、吐き気を非常に敏感に感じると自分で奥歯を歯ブラシで磨く時でも嘔吐反射が起きることもあります。強い吐き気を感じることで歯科治療そのものに恐怖を感じるようになると、歯科治療ができなくなってしまいます。嘔吐反射が強まると前歯を触られただけで吐き気を感じてしまうことも少なくありません。

嘔吐反射がある場合、治療では治療用チェアを少し立てる、印象材を少し硬めにして硬化時間を短くする、できるだけ下を向いて気道を確保するなど色々工夫がありますが、強い嘔吐反射はそのような対応だけでは、なかなか解決しません。嘔吐反射のかなりは根本に歯科治療を行うことに対する恐怖感があるからです。どんなに嘔吐反射が強くてもスプーンや箸を使う食事は問題になりません。嘔吐反射の背景には不安や緊張といった心理的要因があるのです。

嘔吐反射の原因には歯科治療に対する恐怖がある



強い嘔吐反射がある時に有効なのは静脈内鎮静麻酔です。静脈内鎮静は完全麻酔と違って意識はありますが、鎮静作用により恐怖や不安はなくなります。このため嘔吐反射の心理的原因は取り除かれ、治療を円滑に進めることができるようになります。静脈内鎮静の他に笑気ガスを使った吸入鎮静も同様の硬化が期待できますが、静脈内鎮静を比べ取り扱いが難しく、火災の危険もあるため現在では主流ではなくなってきています。

静脈内鎮静は点滴でゆっくりと麻酔液を注入する



静脈内鎮静は全身麻酔と違って自発呼吸はできますし、会話を交わすこともできます。しかし、意識はぼんやりとして麻酔中の出来事は忘れてしまうこともあります。また、全身麻酔同様に麻酔医が脈拍、血圧など全身状態をみながら慎重に行うことも必要です。

静脈内鎮静中は麻酔歯科医が常にバイタルのモニタリングを行う

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