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神経を取らない生活歯髄療法とは

2018年5月20日

神経は取らずに治したいが



抜歯に対して抵抗感を持つ方が多くなったことを書きましたが(どうしても抜歯したくないのですが)、抜歯の前の段階の抜髄、つまり神経も取りたくないという要望も少なくありません。

神経は血管などとともに歯の中の歯髄と呼ばれる部分に収められています。「神経を取る」とは歯髄を取ることなのですが、歯髄をとった歯は失活歯とも呼ばれます(正確には歯髄を取った歯は無髄歯と言い、失活歯は神経が死んだ歯を意味しますが、普通はあまり区別をしません)。失活歯はそのうち黒ずんで来ることが多く、また弱くなると言われています。

失活歯が変色するのは神経を取った部分(根管)に鉄分などが入り込むためです。また、失活歯になったからといって歯質そのものが弱くなってしまうということはないのですが、神経がないため虫歯の進行に気付かなかったり、強く噛み締めがちになることで歯を痛めやすくなるからです。変色にしろ、痛みやすくなるにしろ、神経を残すことは好ましいことは確かです。それに応え、できるだけ神経を残そうとする治療を生活歯髄療法と言います。

しかし、抜髄を避けるのは簡単なことではありません。神経を取るかどうかというのは、普通は虫歯が一定以上進行した段階での治療になります。虫歯は歯髄も侵しますが、歯髄が感染症になっていては歯髄を残してもいずれ感染症が進んで痛みが出て、神経を取る結果になってしまいます。

外傷で歯が欠けて歯髄が露出したような場合は歯髄が感染しているリスクは小さいですが、そうでなくても虫歯治療でラバーダム(ゴムの皮膜)をかけ、唾液が混入しないように治療することが大切です。なぜなら唾液には大量の細菌が入っているからです。ラバーダムは唾液の侵入を防ぎ感染症を防止するために必須のものです。

ラバーダムの使用は唾液の侵入を防ぐためには必須



時には高価ですが根治に優れた特性を発揮するMTAセメントが有効な場合もあります。ただ、これは一部の症例、治療法に対するもので高価なMTAセメントがなければ生活歯髄療法が常に必須というわけではありません。

虫歯治療のために歯を削ると歯髄が露出してくることがあります。その時、歯髄を取ることが多くなりますが、それを防ぐためには、虫歯治療の段階からラバーダムで唾液が混入しないようにする治療技術だけでなく、歯髄に感染症がないか正しく判断するといった内療法専門の歯科医師の高い診断能力が必要になります。これは虫歯治療の段階から歯内治療専門のレベルの治療を行うことになります。虫歯治療から根管治療まで、一番一般的な歯科治療も大きな変革が進んでいるのです。

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