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虫歯の進行速度はどのくらい?

2023年4月6日

 

私たちが日常的にかかる病気は、治療すれば元に戻る“可逆性”のものがほとんどです。それどころか、多くの疾病は医学的治療を受けなくても自然治癒します。中には後遺症が残るものもありますが、虫歯のように目に見える形で組織が失われていく”不可逆性”の病気は稀です。

 

エナメル質や象牙質は、原則として再生されないことから、日を追うごとに“不可逆性”の症状が進行していきます。では虫歯の進行速度はどの程度のものなのでしょう。虫歯では虫歯菌が糖分を分解することで産生する「乳酸」などによってエナメル質・象牙質が溶かされていくのですが、1~2日が大きな変化が現れることはまずありません。

 

“酸で溶かされる”というと、硫酸や硝酸、塩酸などで物質が激しく溶解していく場面を想像しますが、乳酸は比較的弱い酸であり、歯質の溶解も緩やかに進んで行きます。そもそもお口腔内では唾液による緩衝作用が期待できるため、酸性へと極端に傾くこともないのです。とはいえ、年齢によっては歯質の状態が大きく異なることから、虫歯の進行速度にも明確な違いが見られます。

 

 

虫歯の進行が最も早いのは乳歯列期です。乳歯は、歯質が未成熟でやわらかく、エナメル質・象牙質は永久歯の半分の厚みしかないので、たった1週間でも目に見える形で変化が現れることもあります。

 

次に虫歯の進行が早いのは若年者です。永久歯は6から生え始め、12歳くらいには生えそろいますが、エナメル質の石灰化が完全に終了するのは25歳くらいとも言われています。若い人は代謝も良いため、半年程度でC1(エナメル質の虫歯)からC2(象牙質の虫歯)に移行することも珍しくありません。

 

中高年になると歯も成熟して代謝も落ちることから、C1からC2への移行は半年から1年程度かかります。口腔ケアの状態が良ければ、そのスピードはさらに遅くなることでしょう。年齢が高くなるほど進行速度が遅くなるのは、その他の感染症や腫瘍性疾患と類似しています。

 

このように、虫歯の進行速度は皆さんが想像しているよりも遅いことが多いです。だからといって放置して良いというわけではなく、自覚したら可能な限り早く治療を受けることが大切です。とくに若い人は早期発見・早期治療が重要となります。

 

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