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TCHの原因と改善方法について

2020年7月11日



私たちの歯は、上下で緊密にかみ合うように並んでいますが、歯と歯が接触している時間は、極めて短いことをご存知でしょうか?具体的には、1日に20分程度しか歯と歯は接触していないと言われています。そして、それは主に食事と会話をしている時です。

逆に言うと、それ以外の時間は、歯の接触は起きません。普段口を閉じている時、前歯同士が接触していても、奥歯はわずかに開けられていますし、前歯も接触しないのが普通です。もっと長い時間、歯列同市が無意識、あるいは意識的に接触していること場合、「TCH(Tooth Contacting Habit)」、「上下歯列接触癖」が疑われます。

TCHは、病気というわけではないので、具体的な医療処置を受ける必要性も低いですかもしれません。しかし、TCHが慢性化すると、口腔周囲にいろいろな悪影響が生じることがあります。それはTCHが就寝時だけでなく、起きている時も歯ぎしりをしているのと同じ状態を引き起こすからです。

最もわかりやすいのが歯の咬耗です。食べ物を介在せずに歯と歯が接触することから、歯質が徐々にすり減っていきます。歯に亀裂が入ったり、破折したりすることもあります。その他、咬筋の肥大や顎関節症の発症、歯周病の悪化など、TCHによる悪影響は広範囲
に及びます。

スマホの長電話がTCHを引き起こすこともある


TCHは、過度の緊張やストレスにさらされた際に起こりやすくなります。これは歯ぎしりや食いしばりが起こるメカニズムと同じです。また、スマートフォンを使用する時間が長かったり、デスクワークに従事していたりする人は、TCHが起こりやすいと言われています。いずれも俯く姿勢が長時間持続します。その状態では、下顎が前方へと移動して、上下の歯列が接触しやすくなるのです。

TCHを改善するためには、まずそのような習癖があることを自覚することが大切です。その上で、TCHを解消するよう意識することが必要です。上下の歯列が接触していると感じたら、「歯を離す」「リラックスする」「力を抜く」ことを意識しましょう。それを毎回行うこと
で、TCHも改善されていきます。

TCHは就寝中の歯ぎしりと違って、ナイトガード(マウスピース)を装着して改善することは難しいので、治療は簡単ではありません。しかし、最近はボトックスを注射することで、TCHを改善する治療法が行われるようになりました。ボトックス注射はTCHだけでなく、歯ぎしり、顎関節症などにも有効です。改善が難しいTCHには一つの選択肢と考えることができます。

ボトックス(ボツリヌス菌製剤)の注射でTCHや歯ぎしりとそれに伴う顎関節症が改善できることがある

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