2017年11月7日
インプラントに抵抗を持つ人の中には、生体内にチタンのような異物を入れることは危険と考える方がいます。確かに、インプラントはチタンのネジを歯根の代わりに顎骨に埋め込むわけですから、「異物を生体に入れる」という表現は間違いではありません。
しかし、チタンは極めて生体との反応が少ない金属です。チタンはインプラント以外にも骨折時の治療や人工関節など医療で秘匿使われていて、その多くな一生体内に残り続けます。
もっとも、インプラントに対し金属アレルギーを起こす例は皆無ではありません。そのため、インプラント施術のまえにバッチテストという金属アレルギーのテストを皮膚科で行うこともケースによっては必要です。
それでは金属アレルギー以外の心配はインプラントにはないのでしょうか。一つはチタンのネジは天然歯の持つ歯根膜といういわばクッションのようなものがないため、噛み合わせを十分に考慮しないと反対側の歯、いわゆる対合歯を傷める可能性があります。
このためインプラントを成功させるには、単にインプラントをきちんと埋入して顎骨と一体化させるだけでなく、噛み合わせ全体を考える技術、知識が歯科医師に必要となります。
また、インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎というインプラントの歯周病にはなりえます。歯周病が進行すると歯が動揺し抜けるように周囲炎が進むとインプラントも人工歯を支えることができなくなります。この場合はチタンネジを除去しなければいけませんが、これは施術として抜歯程容易ではありません。
つまり、インプラントを埋入した場合はメンテナンスが天然歯以上に大切になるということになります。きちんとメンテナンスされたインプラントは天然歯とほとんど同様の咀嚼力を維持しながら一生使い続けることもできます。「インプラントは異物」と排除せず、天然の歯のように維持に努めることがなにより大切です。
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