2015年2月15日
「口は災いのもと」と言いますが、軽率な発言で難局に陥ることを戒めたものです。それをもじって「口は万病のもと」というのも知っておくべきことだと思います。毎日新聞に(2015/2/15)に「口の中が不潔だとタミフルなどのインフルエンザ治療薬が効きにくくなる可能性があることが分った」という記事が出ています。落合邦康・日本大教授=口腔(こうくう)細菌学=らの研究チームは「歯垢(しこう)に含まれる2種類の細菌がNAを作り出し、ウイルスの増殖を助けることが分かった」と発表しました。
研究チームは「感染部位が口と近いことを考えると、口の中の細菌が感染の進行に関与していることは十分に考えられる」と話しています。この研究結果によると歯垢を取り除く、つまり歯磨きをきちんと励行することがインフルエンザの予防に役立つことになります。歯磨きもきちんと行わないと十分に歯垢を取り除くことができませんし、歯垢が貯まって歯石になるとますます歯垢が付きやすくなります。正しい歯磨きと定期的な歯石除去はインフルエンザの予防にも有効だということになります。
歯石を放置すると歯周病になりやすくなります。歯周病にかかると歯茎から出血することはご存じだと思いますが、歯磨きで強く歯茎を擦り過ぎても血が出ます。口は血管が外気と直に触れる唯一の場所なのです。口の中と体内は食物を通しではなく直につながっているのです。
最近では歯周病と糖尿病のような全身疾患と深い関係にあることが判っていました。また、歯周病の結果歯を失い咀嚼力が低下すると認知症になるリスクが高まることも疫学的に明らかになっています。まさに「口は万病のもと」と思って、歯と歯茎の健康に十分気を配っていただきたいと思います。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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