2017年12月14日
電動歯ブラシが効果についてのご質問がよくあります。TVのCMを見ると、電動歯ブラシが超音波で歯周病菌を砕いてしまうような画像が流れてきます。手磨きと比べて電動歯ブラシは本当に効果的なのでしょうか。
電動歯ブラシと一口に言いますが、ブラシの部分が回転する文字通り「電動のブラシ」もありますが、主流は音波や超音波つまり、非常に高速の振動でブラッシング効果を得るものです。回転式は手の代わりにブラシを回しているだけなので、ここでは音波、超音波のタイプを電動歯ブラシについて考えてみます。
音波を使う電動歯ブラシでは振動数は毎秒16,000から20,000くらいです。毎秒20,000以上の振動数になると人間の耳には音として聞こえなくなるので超音波と言いますが、基本的な仕組みは同じです。
実は電動歯ブラシと手磨きの比較研究はそれほど多くありませんし、広く合意された結論もありません。つまり、歯医者や歯科衛生士でも、電動歯ブラシが圧倒的に優れていると言う人がいる一方、大きな違いはない、あるいは手磨きの方が優れていると言う人と様々なのです。ただ、手に障碍があるなどで、手磨きが難しい方はいます。このような場合は電動歯ブラシが役に立つのはもちろんです。
意見が分かれる中で、電動歯ブラシと手磨きの比較をした研究があります。この研究によると、電動歯ブラシと手磨きではプラーク除去の性能に大差はありませんでした。
むしろ、プラーク除去は人により違い、手磨きでプラーク除去を効果的にできる人は電動歯ブラシでも同様に効果的にプラーク除去を行っており、逆も成り立つということです。つまり、きちんとした歯磨きを学ぶのが何より大切ということです。
また、その研究では歯周病の回復には電動歯ブラシが多少効果が高かったということも示されており、これは電動歯ブラシのマッサージ効果が有効だったのではと推察しています。
いずれにせよ、電動歯ブラシは手磨き同様プラーク除去の効果はあるものの、歯茎へのマッサージ効果以外は圧倒的に優れているわけではなく、正しい歯磨き方法を学ぶことが一番重要だということのようです。電動歯ブラシと手磨きの選択は最後は好みということになるのかもしれません。
なお、電動歯ブラシが有効なのは手磨きができない障害がある場合の他に、矯正器具、バネ付き入れ歯などを装着している場合があります。電動歯ブラシは振動でプラークを除去するため、そのような装置があってもプラーク除去を行うことができます。矯正中の場合などは電動歯ブラシの使用を考慮されるとよいでしょう。
マナミ歯科クリニックの予防歯科・歯科ドック
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