義歯・歯根破折の治療〜コーヌステレスコープ（部分入れ歯）の症例【中野・吉祥寺・阿佐ヶ谷・高円寺の歯医者さん】

2015年8月9日

左上前歯が折れてしまった高齢の女性患者様の症例です。

10年以上前に全顎治療（お口全体の治療）を受けたものの、その時に作った部分入れ歯がお口に合わなかったので、装着せずに生活を続けていたそうですが、先日、突然前歯が折れてしまったとのことで当院に来院されました。

お口を拝見すると、該当の前歯以外も、歯周病の進行、欠損（歯がない）などかなり酷い状態でしたので、当院では残っている歯が少ない方に有効なコーヌステレスコープという部分入れ歯をご提案させて頂きました。

最初に、現状を確認するため、レントゲン撮影を行います。

下あごと比較し、上あごの歯肉がかなり下がっている（後退している）ことが分かります。この状態で治療を進めても予後が見込めないため、初期治療として歯周組織の回復（歯周病の初期治療）、不良補綴物の除去を行いました。

初期治療を終えた後は、お口の型を取り、プロビジョナルレストレーション（仮歯）を装着します。この工程を経ることで、お口の様々な動きを記憶することができ、患者様のお口に合った入れ歯を作製することができます。

コーヌステレスコープ（部分入れ歯）は、固定軸となる内冠（残っている歯に金属冠をかぶせる）を装着する必要があるので、歯周外科処置により、歯肉を切開してスペースを確保し、土台となる歯の形を整え、内冠を装着しました。

次に、ゴシックアーチ法を活用して、噛み合わせの水平的な位置を決めます。下あごは前後、左右、上下に動きます。この前後、左右、上下のちょうどよい位置を決めて入れ歯を作ることで痛くなくはずれない違和感の少ない入れ歯を作ることが可能となります。