2015年2月18日
歯科医師が余っている、歯科診療所が多過ぎる。このような話を聞かれた方も多いと思います。「歯医者はコンビニより多い」というのもよく言われます。日本の歯科診療所は7万弱、これに対しコンビニは5万軒程度ですから、「コンビニより多い」というのは間違いではありません。それでは日本の歯医者は本当に多過ぎるのでしょうか。
日本には歯科医指数は人口千人当たり0.7人です。これを諸外国と比べると、イギリス、オーストラリアの0.5人、アメリカの0.6人よりは多いですが、北欧諸国の0.8-1.0人と比べるとむしろ少ないことがわかります。そして、国民1人当たり年間何回歯科治療の受診回数を比較すると、日本の3.2回に対し、イギリスは0.7回、アメリカは1回とずっと少なくなっています。歯科医一人が見る患者数は日本はこれらの国の2倍以上になっているのです。
スウェーデンにいたっては、千人当たりの歯科医師が0.8人なのに、国民の受診回数は年平均0.4回です。日本の歯科医師はスウェーデンの歯科医師の10倍の患者数をこなしていることになります。
歯科医師の多い北欧は虫歯や歯周病の予防治療が進んでいます。例えば12歳児の虫歯の本数は日本が3.2本に対し、フィンランドは1.2本と3分の1です。日本の歯科治療は依然として虫歯が中心で「歯医者は痛くなったら行く」と考えている人が多いのですが、アメリカのように治療費の高い国は「歯は痛くなる前に行く」のが常識になっています。
日本の歯科医師は他の先進諸国に比べずっと多くの患者を診ます。OECD諸国で1日10人以上の患者を診るのは日本だけです。しかし、日本の歯科治療の水準は決して低くありません。マナミ歯科クリニックにもアメリカ、フランス、中国、韓国と外国の患者様がいらっしゃいますが、口の中の治療の箇所を見て、日本の歯科治療の水準の高さを改めて感じることが多いというのが印象です。
歯科に限らず、日本の医療技術は世界的にも高いレベルで、しかも国民皆保険でありながらフリーアクセス(どの病院、診療所に行っても良い)という非常に高度のサービス水準を保っています。患者の皆様にも是非知っていただきたい事実です。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。