2017年11月7日
食後すぐに歯を磨くと歯が溶ける!?
食後30分以内に歯を磨くと歯が溶けてしまうという説があります。実はこれはあるテレビ番組でこのような内容の放送があり、それが広まってしまったものです。結論から言うと、そんなことはありません。
食後すぐに歯磨きをして食べ物の残りをなるべく早く取り除くことで、口の中の細菌が食物中の糖分を分解して酸性の物質を作ることを防ぐことができます。糖分が細菌(虫歯菌)で分解されて生成された酸性の物質こそが虫歯の原因です。
この説のもとになったのは酸性の強い食べ物(梅干しや炭酸飲料)を歯に付着させることでおきる「酸蝕症」の実験です。酸性の強い物質で歯が溶けるような環境で歯ブラシで磨くと歯が傷められることはありますが、実際には口の中は唾液があり、酸性物質の働きは弱められるので、むしろ酸性の物質を早く取り除くためにも歯磨きは食後すぐに行った方が効果的です。
もっとも、毎食後ていねいに歯磨きをすることが難しい場合もあるでしょう。毎食後の歯磨きは望ましいですが、それ以上に大切なのは正しい磨き残しのない歯磨きを一日一回はきちんと行うことです。磨き残しのない歯磨きを行うためには歯科医院でTBI(歯磨き指導)を受けることが必要です。正しい歯磨きを習得し、励行してください。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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