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CADCAMか人間か: セレックで技工の将来を考える

2017年11月11日


セレックはブロックから技工物をコンピューターが削り出す

セレックというのは商品名ですが、CADCAMシステム、つまりコンピューターで被せ物や詰め物といった技工物を作り出す装置です。マナミ歯科クリニックでも手作りの技工物よりは安価に白いものを入れられことで人気です。
特に、ハイブリッドセラミックと呼ばれる素材(プラスチックとセラミックの混合物)は小臼歯に対しては健康保険が適用され(大臼歯も一定の条件を満たせば適用されます)るため、小さな費用負担で銀歯を置き換えることができことで高い人気があります。
セレックはセラミックやハイブリッドセラミックのブロックを削り出すミリングマシンと呼ばれる部分と、ミリングマシンの入力をデータを作成する部分に分かれます。CADCAMとはComputer Aided Manufactruing とComputer Aided Designの略語ですが、CAMつまり作る方がミリングマシン、データ作成部がCADということになります。

技工物をコンピューターで設計する

セレックを見るとコンピューターが発達すれば、技工物を作る人間の技工士は不要になるのではないかとさえ思えてきます。実際、セレックを導入した歯科医院の中には歯医者が技工士に代わって技工物を作るところもあります。
しかし、これから何年もしないうちに、セレックあるいはその発展形が人間の技工士を一掃してしまうかというのと、それは難しそうです。歯は複雑な一品製品で、セラミックなどの加工品は宝石加工と同様の器具を使う、非常に細かい作業になります。セレックはまだそれらの作業を完全に置き換えることはできていません。
むしろ、セレックが生まれて20年の時が流れ、改良を続けていくことでコンピューターの限界も明らかになってきたということも言えます。将来はCADCAMがさらに発展してCADで設計された技工物をより大型のCAM機械で製造する領域と、技工士が高級な仕立服を作るように作成する技工物の二種類にはっきり分かれていくと思われます。
歯科治療自体もロボットや遠隔操作で抜歯を行うようなことは当分実現しそうもありません。AIが発達しても人間が行う領域がまだまだ残っているというのは、悪いことでもないのではないでしょうか。

 
マナミ歯科クリニックのセレック

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