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根管治療を途中でやめることのリスク

2020年5月20日

マイクロスコープを使った根幹治療



虫歯が進行して、歯の中にある歯髄まで侵され炎症を生じると、抜髄(ばつずい)と言って歯髄を取り除く治療が必要になってきます。そして抜髄した後、神経や血管が収まっていた根管(こんかん)を注意深く清掃し、中に詰め物を封入する根幹治療を行います。しかし、根幹治療は従来は長い期間と何回も通院する必要があるために、途中で治療を中断する人も少なくありませんでした。

確かに、抜髄をすると、それまで感じていた強い痛みがなくなります。しかし、痛みが無くなっても治療が終了したわけではありません。風邪などの場合は自然な回復力で病状が改善し回復するのが普通ですが、根幹治療は一般の虫歯治療と同じで自然治癒は期待できません。

抜髄や重症化した歯髄炎で痛みが消失するのは、痛みを感じる神経そのものが死んだり、取り除かれてしまうからです。歯の根の中には、依然として虫歯菌が存在しており、感染範囲をどんどん拡大していきます。その結果、生じるのが根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)です。

虫歯は自然治癒しない



虫歯菌は根管内から歯の根の先に炎症を起こし膿が溜まることもあります。その時にはまた痛みが生じるので、改めて歯科を受診することになります。けれども、そこから根管治療を再開すると、病状は進行しています。結果として抜歯が必要となることも多くなります。

さらに悪いケースでは、感染が顎の骨に広がって顎骨骨髄炎を引き起したり、首をはじめとした全身へと感染が波及する蜂窩織炎(蜂窩織炎)へと発展したりするリスクさえあります。

根管内はとても細く、暗く、複雑な構造を呈しているので、その治療には長い期間が必要にでした。根幹治療は根気よく通院を繰り返すことが普通でした。そのため、治療中断が抜歯にいたることも少なくなかったのです。

ラバーダムは唾液の侵入を防ぐ砦



その根幹治療が大きく変わったのは、マイクロスコープの登場とラバーダムの使用です。マイクロスコープは数十倍の大きさで患部を見ることができるため、正確、精密な治療を行うことで治療期間を大幅に短縮できるようになりました。また、ラバーダムは唾液が根管に侵入するのを防ぐことができるため、再発のリスクを非常に小さくすることができます。

「歯医者は痛くなったら行くところ」と思う人も多いのですが、虫歯で痛みが出るのはかなり進行した状態です。痛みの出た虫歯は根幹治療になること可能性が高く、結果的に長い治療期間が必要となります。しかし、根幹治療の進歩は治療を途中で中断するという間違った選択をするリスクも減らすことができるようにしたと言うことができるでしょう。

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