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舌口唇の運動機能を調べる「オーラルディアドコキネシス」

2020年12月4日


 
舌・口唇の運動機能を評価する検査に「オーラルディアドコキネシス」というものがあります。「パ」「タ」「カ」の単音節をそれぞれ10秒間に素早く発音する検査です。1秒当たりの発音回数をカウントすることで、舌と口唇をどれくらい滑らかに動かせるかがわかります。
 
1秒当たりの発音回数が6回を下回ると舌や口唇の機能に低下が認められます。特別な器具を必要とせず、簡便に行える検査であるため、介護の現場などでも頻繁に実施されています。では、なぜ舌・口唇の機能を調べる必要があるのでしょうか。
 
高齢者は、全体的に口腔機能が低下する傾向にあります。歯の本数が減って食べ物が噛みにくくなることはもちろん、唇や舌の動きが悪くなり、言葉を上手く発せない(発音障害)、食べ物がお口からこぼれる、飲み込みにくい(摂食嚥下障害)といった症状に悩まされる方が非常に多くなります。専門的には「口腔機能低下症」と呼びます。
 
いずれも日常生活に支障をきたすような症状であり、可能な限り予防、あるいは早期に対処した方が望ましいといえるのです。ちなみに、舌・口唇の運動機能低下は、発音障害と摂食嚥下障害の両方に関与しており、検査によって巧緻性を調べることは非常に有用といえます。
 

 
まず、「パ」は唇を開けたり、閉じたりする機能を評価できます。食べ物を口に入れて保持する、あるいはそしゃくする際に役立つ機能です。「タ」を発音してもらうと、舌の前方部分を上に挙げる機能を測ることができます。これもそしゃくに役立つ機能です。最後に「カ」に関しては、舌の付け根の部分を上に引き上げる機能を測定することが可能です。これは食べ物を飲み込む嚥下(えんげ)機能を評価できます。つまり、パタカと発音してもらうだけで、食べ物を口に入れてから飲み込むまでの動作を調べることができるのです。
 

 
簡便な方法ですが、オーラルディアドコキネシスを実施することで、口腔機能の低下を早期に発見することも可能になります。
 

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