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静脈内鎮静とは

2019年3月13日


歯科治療は「痛い」というイメージが強く、そのため無痛治療を求める人は多いのですが。実際には抜歯などの治療は局所的な麻酔をかけて行うので痛みがそれほどあるわけではありません。しかし、歯科治療では痛みを抑える「鎮痛」だけでなく、歯科治療に対する恐怖や苦痛を和らげるための「鎮静」が必要な場合があります。

静脈に麻酔針を刺す様子



「鎮静」は痛みを除くのではなく、恐怖や苦痛に対する意識を低下させる作用です。鎮静麻酔を受けて治療を行うと意識はあるものの「ぼんやり」した状態になり治療に対する恐怖はほとんどなくなります。通常、歯科治療では言語的なコミュニケーションができなくなるような深い鎮静ではなく、会話をかわすことができる程度の浅い鎮静が行われます。

薬剤を徐々に静脈に注入するシリンジ



ただ、深い、浅いは必ずしも明確な境目があるわけではありません。いずれにせよ、静脈内鎮静では歯科麻酔医が術中にきちんと管理することが必要で、状況により深いレベルまで静脈内椿西を行うこともあります。

静脈内鎮静中は脈拍、血圧など全身状態を歯科麻酔医が管理する



静脈内鎮静を行う前は体を締め付けない服装でいることなどをのぞけば特に準備は必要ありません。静脈内鎮静に主として用いられるプロポフォールは強い薬ですが、歯科麻酔医は血圧、脈拍などいわゆるバイタルをモニタリングしてシリンジポンプという装置を用いて流量をコントロールしながら薬剤を静脈に注入します。

プロポフォールは静脈内鎮静や全身麻酔に広く使用されている



施術が終了した後、意識が明確になり歩行に問題がなくなるまで1時間程度の休息が必要となります。また、脈拍、血圧の異常がないかなど全身状態に問題がなければ帰宅することが可能です。ただし、車の運転などは避けなければなりません。

現在の歯科医院では静脈内鎮静が主流ですが、かつては笑気ガス(二酸化窒素)と呼ばれる吸入鎮静が広く使われていました。吸入鎮静は静脈に薬剤を注入する方法と比べ、簡便で小児のように大人しく鎮静を受けさせるのが難しい場合は有効な方法です。しかし、笑気ガスは可燃誘発性があり火災の危険があるため、一般の歯科医で使用されることはまれになりました。

現在主流となっている静脈内鎮静は麻酔歯科医が管理を行えば、安全性も高く治療の苦痛を大幅に減らすことができます。歯科恐怖症の方だけでなく、集中治療など長時間医およぶ治療を受ける場合は優れた解決法と言ってよいでしょう。

参照

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