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「歯が痛くなったら行くところ」から、「咀嚼機能を守る専門家」へ――歯科医療の本当の役割

2025年7月19日

 

「歯医者さんは歯が痛くなったら行くところ」――そんなイメージは今でも根強く残っています。でも実は、私たち歯科医師や歯科衛生士の本当の使命は、もっと広く、もっと根本的なものです。それは、「食べる」という生命活動の入り口である“咀嚼機能”を守ること。つまり、口全体を「ひとつの消化器官」としてとらえ、その健康を維持・改善することです。

 

たとえば矯正治療。これまでは「見た目を良くするもの」と思われがちでした。しかし、歯並びを整えることは見た目だけでなく、歯垢がたまりにくくなり、むし歯や歯周病の予防にもつながります。特にアメリカなど歯科治療費の高い国では、矯正は“予防医療”のひとつとして重視されています。

 

最近ではさらに一歩進んで、矯正による「噛み合わせの改善」や「咀嚼機能の最適化」が注目されています。歯並びや噛み合わせが悪いと、特定の奥歯だけに負担がかかりやすく、歯ぎしりや歯の摩耗、歯周病の原因にもなります。つまり、矯正は見た目を整えるだけでなく、口全体のバランスを整え、将来的なトラブルを防ぐ治療でもあるのです。

 

この考え方は、インプラント治療との連携でも重要です。インプラントは失われた歯の機能を補う強力な手段ですが、正しい位置に入れなければ、噛み合わせの不具合や過剰な負担を招き、寿命を縮めてしまうこともあります。そこで矯正と組み合わせて口全体のバランスを整えることで、インプラントの力を最大限に活かすことができるのです。

 

このように、矯正、インプラント、根管治療、歯周外科――現代の歯科医療は多くの分野が専門化し、より高度になっています。しかし、最終的に目指すところは共通しています。それは「しっかり噛める口」「健やかに食べられる毎日」を支えること。つまり、咀嚼という身体機能を守り育てる、専門家としての役割です。

 

口腔は、消化器の入り口でありながら、外気や細菌にも常にさらされている、非常に特殊な臓器です。その健康を守ることは、全身の健康を守ることにもつながります。「歯科は痛みを取るだけの医療」から、「噛んで、食べて、生きる力を支える医療」へ。これが、私たちが目指す歯科医療のかたちです。

 

(山根茂樹院長)

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