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お茶に含まれるカテキンが虫歯予防に効果的?

2023年12月5日

 

虫歯を予防する方法として最もわかりやすいのは虫歯菌を排除することです。歯垢がないプラークフリーな状態を常に維持できれば、虫歯になるリスクも限りなくゼロに近付けることができますが、それを達成できる人は一部に限られます。

 

そこでもうひとつの視点を持っておくと、虫歯予防をより効率よく行えるようになります。それは「虫歯菌に酸を作らせない」という視点です。フッ素による虫歯予防効果というのは、歯の再石灰化を促して、酸への抵抗力を高めるだけではありません。

 

実は、細菌はフッ素を体内に取り込む性質があり、それを排出する仕組みも備わっています。フッ素が細菌の体内に取り込まれると、酸の産生を抑制する反応が起こります。ここまでは以前から判明していたのですが、東北大学大学院歯学研究科口腔生化学分野の研究チームは「カテキン」がさらにその効果を高めることを解明しました。

 

カテキンは、緑茶に含まれるポリフェノールの一種で、抗酸化作用や血糖値を下げる作用が期待できることから、日常的に飲まれている方も多いことでしょう。そのカテキンはフッ素と組み合わせることで、ミュータンス菌の酸産生能を低下させることがわかったのです。

 

具体的には、ミュータンス菌の細胞内に取り込まれたフッ素が排出される部分をカテキンが塞いでしまいます。その結果、細胞内にフッ素がどんどん蓄積されていって、酸を作り出す量が減少してくのです。虫歯菌の有害性は、歯を溶かす酸の産生能にあるといっても間違いではないため、その機能を抑制できる点は非常に有益であるといえます。しかも、虫歯菌が酸を作り出しやすい酸性環境下でこうした現象が起こりやすくことは、特筆すべきといえるでしょう。

 

もちろん、フッ素とカテキンの組み合わせを虫歯予防にどう実用化していくかは、これからの研究・開発に委ねられますが、その糸口が見つかったことは素晴らしいといえます。近いうちに、フッ素とカテキンの相乗効果を利用した新しい虫歯予防法も考案されることでしょう。

 

参考:東北大学大学院歯学研究科プレスリリース

 

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