2024年6月9日
前歯に強い衝撃が加わると、黒く変色することがあります。虫歯でもないのになぜ黒くなるのか不思議。歯磨きをしてもきれいにならないので困っている。そんな方は歯医者に相談することをおすすめします。
ぶつけた歯の変色は、歯の神経が死んだことに由来しています。専門的には歯髄の失活(しっかつ)と呼ばれる現象で、神経と血管の束である歯髄が生活反応を失って、徐々に分解が進んで行きます。そうした組織の断片が歯の内側の象牙質に沈着して、黒く見えるようになります。
進行した虫歯でも、歯髄が自然に失活したり、治療の過程で失活させたりしますが、組織の断片は根管治療ですべて取り除くことから、歯の変色は起こりません。それは外傷による歯髄の失活も同じです。歯を強くぶつけた時点で歯科を受診すれば、歯の黒ずみを防止する処置が受けられます。
もうすでに黒ずんでしまった歯は、その色が自然に改善することはありません。歯の変色を改善したい場合は、インターナルホワイトニングやウォーキングブリーチといった特別なホワイトニングを受けましょう。これらは歯の内部から漂白剤を作用させる方法なので、歯髄の失活に由来する歯の黒ずみも根本から改善できます。通常のホワイトニングは、歯の表側から漂白剤を作用させることから、今回のケースでは適切な効果が得られない点に注意が必要です。
ホワイトニングでも改善が難しい重症度の高い歯の変色は、ラミネートベニアやセラミッククラウンによる修復治療が有効です。とくにラミネートベニアは、前歯の修復で本領を発揮する治療法です。エナメル質を一層削るだけで、黒ずんだ歯を自然できれいな白色に変えることができます。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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