2024年7月20日
近年、キシリトールを始めとした代用甘味料がさまざまな食品に使われるようになってきました。キシリトールは砂糖のように甘いにも関わらず、虫歯菌のエサにならないため、虫歯のリスクを気にせずに甘いお菓子を楽しむことができます。とくにキシリトールガムは唾液の分泌も促せることから、虫歯の予防効果は極めて高いといえるでしょう。
そんなキシリトールには、心疾患リスクを上昇させる可能性があることをオハイオ州クリープランドに拠点を置く非営利の大学医療センター「クリープランドクリニック」が発表しました。この研究では、キシリトールを多量に摂取すると血小板反応性が高まって、血栓の形成が促進されることが分かったのです。血栓は、血液中に生じる血の塊で、血管が詰まる脳梗塞や心筋梗塞の原因ともなります。
もちろん、キシリトール入りのガムやキャンディを口にしたからといって、ただしに心疾患リスクが高まるわけではありませんが、虫歯予防だけを考えて過剰に摂取するのは良くないのかもしれません。キシリトールによる虫歯予防効果は確かなものですが、それに付随するリスクが大きい場合は、セルフケアやプロフェッショナルケアを充実させた方が賢明といえます。
ちなみに、2023年にはWHOの傘下にある国際がん研究機関(IARC)がアスパルテームの発がん性について警鐘を鳴らしています。キシリトールやアスパルテームといって人工甘味料にはまだわからない部分が多々あることから、いずれも過剰に摂取するのは避けた方が良いかもしれません。同時に、常識の範囲内で適度に摂取するのであれば、虫歯予防やカロリーオフの効果最大限に享受できることでしょう。
参考 :ヨーロッパ心臓病学会が発行する European heart journal
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