
2025年9月14日
セラミックは、歯の修復や補綴に用いられる材料の中でも、最も審美性に優れた素材のひとつです。それでも、「セラミックは色が不自然に見える」という声を耳にすることがあります。
しかし実際には、これはセラミックそのものの限界ではなく、調整やデザインの仕方、または患者様の審美的なニーズとのすり合わせに大きく関係しています。
近年の歯科技工技術は大きく進歩しています。特にステイン(色付け)技法により、天然歯の持つわずかな色味・透明感・グラデーションまで再現することが可能になりました。熟練の歯科技工士が仕上げたセラミックは、肉眼では天然歯と全く見分けがつかないほど自然です。
かつては「いかに天然歯に近づけるか」が目標でしたが、最近では価値観の多様化により、自然さよりも審美的な白さを求める方も増えています。ハリウッドスマイルのような明るい白色を希望されるケースもあり、それは以前なら「不自然」とされた色調でも、今は一つの選択肢として受け入れられています。
セラミックには、ラミネートベニア、インレー、クラウンなど多様な種類があり、症例によって最適な方法が異なります。また、残存歯の色や形、歯茎のラインとの調和を図ることも自然な仕上がりのためには重要です。
そのためには、セラミック治療に経験豊富な歯科医師と、技術力の高い歯科技工士との連携が不可欠です。治療の選択にあたっては、見た目だけでなく、長期的な機能性や耐久性についても十分に話し合うことをおすすめします。
「セラミックが不自然に見える」というのは、素材の問題ではなく、技術・設計・時代背景に左右される部分が大きいと言えます。最新の技術を活用し、自分に合った色や形を選べば、セラミックは天然歯以上に美しく、かつ自然に見える選択肢となります。
(林先生記)
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