2024年4月1日
外傷で歯が欠けたり、虫歯治療で歯を削ったりした後には詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)を装着することになります。保険診療では、その材料として金銀パラジウム合金(銀歯)やレジンを使うことになりますが、歯科医師の観点からはセラミックが推奨されます。なぜならセラミックには、銀歯やレジン歯にはない数多くのメリットを伴うからです。
まず、審美面においてセラミックは、同じ白色材料であるレジンよりも優れています。セラミックは、天然歯の光沢や透明感、色調を忠実に再現できるため、歯科用プラスチックであるレジンとは仕上がりに大きな差が生じます。
また、セラミックは安定性の高い材料なので、経年的な劣化が起こりにくくなっています。レジン歯は装着から1~2年も経過すると、徐々に黄ばみや摩耗が目立つようになりますが、セラミックは装着した当初と変わらず、光沢や白さ、美しい形態を保っていることでしょう。
この点は歯の健康とも直接的に関わってくる性質といえます。というのも人工歯の形が変わらないということは、噛み合わせや適合性も安定していることを意味するからです。しかもセラミックは歯質にぴったりと接着できることから、不要な隙間が生まれず、細菌の侵入も起こりにくくなっています。つまり、セラミックは虫歯の再発リスクも抑えることができるのです。当然ですがセラミックは金属アレルギーになる心配もありません。
このようにセラミックは失った歯質を補う材料としては、現状、理想的な性質を備えている材料といえることから、歯科医師が自分の歯を治療するとなると、銀歯やレジン歯ではなく、セラミック歯を選択する人が大半を占めるといえるでしょう。
もちろん、経済面においては保険診療の銀歯やレジン歯が優れているため、すべての人にセラミック歯が最善の選択となるわけではありません。とは言っても、歯は体の一部です。また、メガネのように気楽に新しいものにできるというわけではありません。美しく、生体親和性に優れ、強度も高いセラミックは長い目で見れば最善の選択肢ではないでしょうか。
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