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マウスピース矯正にセファロは必要?

2024年9月27日

 

最近、マウスピース矯正に対応した歯科医院が急速に増えています。それによって歯列矯正を受けやすい環境が整い、多くの方が歯並びの問題を解決しやすくなることはとても良いのですが、矯正治療全体の質が低下することは好ましくありません。

 

というのもマウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正よりも歯科医師が始めやすく、適切な知識や技術、医療設備が整っていなくても、デジタル技術にサポートされながら歯並びの治療を進めていくことも可能なのです。その中でも「セファロ」はマウスピース矯正で軽視される傾向にあるため、十分な注意が必要といえます。

 

セファロとは、矯正治療のためのレントゲン撮影で、「頭部X線規格写真」とも呼ばれます。従来のワイヤー矯正では、事前の精密検査では欠かすことのできない画像診断法であり、基本的にマウスピース矯正も例外ではありません。

 

セファロで撮影されたレントゲン画像

 

なぜ通常のレントゲン撮影だけでは不十分なのか。いわゆるパノラマと呼ばれる撮影法では、口元とその周囲の骨の情報しか得られません。一方、セファロは首から頭のてっぺんまでの画像を正面と側面で撮影することから、頭蓋骨や顎関節と歯列との関係まで精密に診査できるのです。

 

特に側面から情報は重要で、歯の角度や顎骨・頭蓋骨との位置関係、口元と顔のバランスなどもセファロを撮影することで正確に分析することが可能となります。これは一般の方からすると少しわかりにくい点なのですが、矯正治療の診断において、根幹をなす部分といっても間違いではありません。

 

もちろん、セファロを撮影せずにマウスピース矯正を行った場合も、模型を作ることで上下の歯列の噛み合わせを分析することは可能ですが、そこには顎関節や歯の角度、頭蓋骨との情報などは一切含まれていません。極端な表現をすると、口元だけを見て歯並び・噛み合わせの治療を進めていくようなことになりかねないのです。

 

最近ではSNS等で「マウスピース矯正では歯並びは治らない」「マウスピース矯正は失敗する」などの投稿を目にする機会が増えましたが、セファロを撮影せずに矯正を行うことがその理由のひとつであるのでしょう。木を見て森を見ず。そんな近視眼的なアプローチを矯正治療に持ち込むことは極めて危険です。

 

そうした点も踏まえて、マウスピース矯正を検討中の方は必ず事前の検査にセファロを使用するかどうかを確認しましょう。セファロはとても高価な設備なので、矯正治療をきちんと行っている歯科医院しか導入していません。その設備がない、あるいはセファロの撮影を他院に外注している場合は、矯正治療と真摯に向き合っている歯科医院とは言い難いです。

 

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