2024年2月9日
痛みは、身体からのSOSです。とくに口の中が痛い場合は、ほぼ間違いなく口腔内に何らかの異常が生じています。そんな時はまず患部を鏡で観察した上で、直近の行動を振り返ってみましょう
痛みが出ている部分に口内炎が出来ている場合は、免疫力の低下によって生じやすいアフタ性口内炎や機械的・物理的刺激が原因で生じるカタル性口内炎が疑われます。とくに入れ歯や矯正装置を付けている人は、カタル性口内炎である可能性が高いです。
全身に大きな不調がなく、口腔粘膜に刺激が加わるような行動もとっていない場合は、もう少し深刻な口腔粘膜疾患が疑われます。例えば、口腔内でカビの一種である真菌が繁殖する口腔カンジダ症では、容易に拭える白い苔(カビ)が生えて、接触痛も伴います。口内炎とは異なり、自然には治りにくいため、医療機関での治療が必要となります。
頬粘膜に白いレース状の模様が生じていて、発赤や潰瘍、水疱などが認められる場合は、口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)という角化異常が疑われます。口腔扁平苔癬では、痛みを伴わない場合もありますので、その点はご注意ください。
その他、口の中の痛みを伴う病気としては、天疱瘡(てんぽうそう)・類天疱瘡(るいてんぽうそう)・白板症(はくばんしょう)・口腔がんなどが挙げられます。いずれも患者さんが自己診断できるものではなく、専門の医療機関での精密検査が必要となる病気であるため、気になる症状が認められた場合はまずかかりつけ歯科医に相談することをおすすめします。
このように、口の中が痛いと感じた場合はさまざまな原因が考えられることから、まずは患部を観察して直近の行動を見返すことが大切です。明らかな原因が見つからず、口の中が痛いという症状が長引くようであれば、先ずは歯科で受診しましょう。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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