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抜けた歯をそのままにして置くと

2019年6月20日

抜けた歯の放置は害が多い



最近は、できるだけ抜歯をしないで治療をしたいという方が増えています。自分自身の歯でしっかりと物が噛めるのは大切です。8020運動は80歳で20本の歯を残そうというキャンペーンですが、今では約半数の80歳以上の高齢者が、その目標を達成しています。

ところが、その一方で抜けた歯を「噛むのに特に不自由しないから」あるいは「あまり目立たないから」と放って置く人も少なくありません。抜けた歯を放って置いたらどうなるでしょうか。

歯の役割は噛むことです。食物は歯で噛み、胃と腸で消化され、栄養として吸収されます。歯は消化の出発点です。歯の咀嚼機能が十分に働かないと、一連の消化活動に大きな支障が出ます。

そしてそれぞれの歯は、食物を噛み切る、磨り潰すといった役割を持っています。それに食物が前から奥に咀嚼しながら移動していくのも歯の働きです。抜けた歯があると、役者の欠員のある芝居のように咀嚼全体に大きな支障が出てしまいます。



それだけではありません。歯が抜けると反対側の歯が伸びて来る挺出(ていしゅつ)という現象が起きます。また、両側の歯が抜けた歯の部分に倒れこんで来ることもあります。一本の歯が抜けることで、ドミノのように歯列が乱れてくるのです。歯列が乱れると歯垢がが付きやすく、虫歯や歯周病のリスクも高まります。

そして、歯の抜けた部分では、歯の土台になっている骨、歯槽骨が次第に吸収されていきます。長い間歯を抜けたままに放置することで、抜けた歯の代わりにチタンネジを埋め入れるインプラント治療が難しくなってしまいます。

最初に書いたようにそれぞれの歯は役割を持っています。その一つが無くなっても咀嚼は必要なので、他の歯が抜けた歯の代わりを試用とします。そのために噛み合わせ全体が変化して、顎関節症や肩こりになる、あるいは顔付そのものが変わってしまうこともあります。

抜けた歯を放置するのはとてもよくないことです。抜けた歯を補うには、ブリッジ、入れ歯、インプラントの3つの治療法があります。ブリッジという言葉通り橋渡しをして人工の歯を付けます。

このためブリッジでは抜けた歯の両側を削る必要があります。橋の土台になる両側の歯はその分力もかかり、手軽な反面、耐久性では劣ります。また、失われた歯が1本ではなく、2本、3本になるとブリッジが難しくなってきます。

ノンクラスプデンチャーはバネ(クラスプ)のない部分入れ歯



入れ歯は特に若い人には抵抗が強いですし、インプラントと比べ咀嚼力、装着感で劣りますが、インプラントをする余裕がないような場合、取り合えず歯列の乱れを防ぐには有効です。入れ歯のバネの部分が気になる場合はノンクラスプデンチャーというバネのないタイプも健康保険は適用されませんが存在します。

歯が抜けた場合にはインプラントはブリッジ、入れ歯と比べ、咀嚼力、耐久性、装着感、など種々の点で優れています。健康保険が適用できないため経済的に難しいこともありますが、つなぎに健康保険の入れ歯を装着する方法もあります。

インプラントは歯を失った時に多くの点で優れた治療法



ただし、インプラントは骨の厚みなどの条件(骨造成により骨が足りないケースもかなりカバーできるようになってきました)がありすべての症例に使用できるものではなりません。また、定期的なメンテンナンスが長期に渡って使用するためには大切です。

どのような治療をするにしても、抜けた歯をそのままにするのは百害あって一利なしです。抜けた歯はちゃんと治療して、様々なリスクを防がなくてはいけません。

インプラント治療の官僚はメンテナンスの始まり

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