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歯を全部抜いて入れ歯にするのはアリ？ナシ？

2024年10月22日

 

歯並びがガタガタであったり、多くの歯が虫歯や歯周病でボロボロになっていたりする場合、それら全部を抜いて入れ歯にした方が予後も良くなるのではないか。そう考える方もいらっしゃいます。確かに、論理的に感がると、歯を全部抜いて入れ歯した方が歯並びや噛み合わせをシンプルな方法で作り直すことができますが、デメリットも多い点に注意が必要です。

 

まず、残っている歯が健全な場合は、歯を全部抜いて入れ歯にするのは推奨できません。健全な歯冠と歯根を備えた天然歯は、入れ歯で代替できるものではないからです。その数が多ければ多いほど、歯を全部抜いて入れ歯にするという選択肢のデメリットは大きくなります。

 

一方、残っている歯が極端に少なかったり、虫歯や外傷などでボロボロになっていたりする場合は、歯を全部抜いて補綴装置で歯並び・噛み合わせを再構築するという選択肢も十分に考えられます。ただ、その時に「総入れ歯」を選択すると、見た目や噛み心地、顎の骨への影響などで後悔する可能性が高まります。苦労して歯を抜いて、歯並び・噛み合わせを一から再構築したにも関わらず、補綴治療の仕上がりに満足できなかった、そんな事態は避けたいものです。

 

そこで推奨されるのが「オールオン4」という治療法です。もともと歯が1本もない無歯顎（むしがく）の症例や今回のテーマのような歯を全部抜いて補綴したいという症例に適しており、近年、選択される方が増えてきています。オールオン4では、チタン製の人工歯根を顎の骨に4本埋め込み、総入れ歯の役割を果たす上部構造を固定する補綴治療です。

 

 

オールオン4には保険が適用されないため、費用は高くなりますが、埋入するインプラントは4本程度に限られることから、標準的なインプラント治療よりも安くなります。自費の総入れ歯で、審美性や機能性、耐久性を追求した設計となると、数十万円から数百万円程度の費用がかかることも珍しくないため、より良い仕上がりを求める方には、見た目が自然で美しく、噛み心地も良くて顎の骨も痩せにくいオールオン4が推奨されます。

 

このように、歯を全部抜いて入れ歯にする方法は、ケースによって適否が変わるといえます。また、歯を全部抜くことが適した対処法であったとしても、その後の治療法として入れ歯が適しているかどうかは、入れ歯だけでなくオールオン４も施術可能なご相談ください。