2023年3月18日
口腔には、歯や歯茎と同じくらい重要な器官があります。それは「舌」です。舌は、摂食・咀嚼・嚥下・発音・呼吸・味覚など、多岐に渡る機能を担っています。そんな舌は健康のバロメーターとも呼ばれており、色や性状の変化から全身状態の異常を類推することも難しくありません。
例えば、血行不良では舌の色が紫になることがありますし、重い感染症にかかっている場合は舌が黒く変化する場合があります。舌がピリピリと痛む「舌痛症」の原因は、金属アレルギーやホルモン異常、精神的ストレスなどケースによって変わるため、一概に語ることは簡単ではありません。
そうした舌の症状の中でも口の中に原因があるものは、歯科医院でも治療が可能です。例えば、舌を誤って噛んでしまう誤咬が原因で、繰り返し口内炎を発症しているケースでは、適合の悪い被せ物や入れ歯を調整することで症状の改善が見込めます。
舌の表面にカビが生える「口腔カンジダ症」は、抗真菌薬や配合された軟膏やうがい薬を使用するとともに、歯科医院でのクリーニングやブラッシング指導で、口腔衛生状態を良好に保てるようになることが重要となります。普段から舌の表面に舌苔(ぜったい)がたまっている人は、舌ブラシを使ってきちんとケアしましょう。
その他、舌には扁平苔癬(へんぺいたいせん)や天疱瘡(てんぽうそう)、白板症・紅板症、舌がんといった病気が現れることがありますが、これらの治療は皮膚科や大きな医療機関の口腔外科でなければ治療は困難です。診査・診断までは、一般の歯科医院でも対応可能となっています。
このように、舌はいろいろな症状が現れる器官なので、普段から鏡でこまめにチェックしておくことをおすすめします。舌が痛い。舌の表面に気になるできものがあると感じたら、歯科医院で受診をすることをお勧めします。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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