2024年5月23日
舌の側面や歯茎、頬粘膜に白いデキモノが認められる場合は、まず経過を確認しましょう。そのデキモノはいつ生じたのか。直近で舌を噛んだり、硬い食べ物で粘膜が傷ついたりはしていないか。歯ブラシや舌ブラシ、ガーゼなどを使って取り除くことはできるか。
舌の白いデキモノが生じてからしばらく時間が経っており、外傷や口内炎の可能性も考えられず、機械的な方法で取り除くこともできない場合は、白板症(はくばんしょう)という病気が疑われます。
白板症とは、口腔粘膜に生じる白色病変の総称で、がん化リスクがあることから口腔潜在的悪性疾患(こうくうせんざいてきあくせいしっかん)に分類されています。適合の悪い入れ歯による慢性的な機械刺激、喫煙やアルコールによる刺激、ビタミンA・Bの不足などが誘因となって引き起こされる病気ですが、根本的な原因は解明されていません。
白板症は、均一型と不均一型の2つに大きく分けられ、症状の現れ方は多様です。びらんや潰瘍が形成されて、痛みを伴う場合もあります。患者さんが自分で診断することはできませんので、気になる症状がある場合は専門の医療機関を受診しましょう。白板症と診断された場合でも、悪性化のリスクが低い場合は経過観察することも珍しくありません。病理組織検査で悪性化が認められたり、そのリスクが高いと診断されたりした場合は、病変を外科的に切除します。
このように、白板症は悪性化のリスクがある怖い病気ですが、その誘因となる適合の悪い入れ歯や喫煙習慣、お酒を飲む習慣を改善することで予防しやすくなります。また、白板症と診断されたからといってすぐにがん化するわけでもありませんので、舌や頬粘膜、歯茎に正常とはいえない白色病変が認められたら、焦らずにまずは歯科医院を受診しましょう。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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