2024年10月22日
臨床の現場では、虫歯を10年以上放置していたという患者さんに出会うことがあります。虫歯は進行性の病気で自然に治ることはないのですが、患者さんの口内環境や生活習慣、歯質などによっては10年放置しても致命的なトラブルまで発展しないことも多々あります。虫歯を10年以上放置している患者さんは、その進行を遅らせるために、歯磨きなどの口腔ケアを頑張っている方も少なくないのです。
それなら歯科を受診して虫歯治療を受けた方が楽なのでは?と感じる方もいらっしゃることでしょう。それは正論ではあるものの、虫歯を長年放置したことを恥ずかしく思ったり、歯がボロボロになるまで受診しなかったことを歯医者に怒られるのが怖かったりする可能性も考慮する必要があります。
そうした理由で虫歯を10年以上放置している方は、まず歯科で診療してください。虫歯を長年放置したことは決して恥ずかしいことではなく、それを私たち歯科医療従事者が怒ることもありません。大切なのは、周りの歯に虫歯がうつったり、上顎洞炎や顎骨骨髄炎といったより深刻な病気に発展するのを防いだり、虫歯によって損なわれた歯の見た目や噛む機能を回復することなので、歯科医はその治療に全力を注ぐのみです。
もうすでに歯の頭の部分が虫歯でボロボロになっていたとしても、歯根が元気であれば細菌を取り除いた後にきれいな被せ物を装着できるかもしれません。仮に虫歯が手遅れであったとしても、汚染された歯を抜いた後に、入れ歯やブリッジ、インプラントで見た目と噛む機能を回復できます。
いずれにせよ虫歯を10年以上放置した虫歯でも適切な歯科治療を施すことは可能ですので、勇気を出して一歩踏み出しましょう。歯科治療に伴う痛みが不安な方でも様々な治療の選択肢があります。歯の自然治癒は残念ながらありません。長い間放置していても勇気を出して診療を受けましょう。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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