重度歯周病の治療徹底ガイド | マナミ歯科クリニック

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重度歯周病の治療徹底ガイド

2025年12月5日

重度歯周病の治療完全ガイド|抜歯回避の可能性と限界、そして「安定」を取り戻すまで

 

「抜歯しかないと言われた」「歯がグラグラして噛むのが怖い」——重度の歯周病は、口の中の問題ではなく、不安・食事・見た目・人間関係まで影響します。

 

中野のマナミ歯科クリニック(院長:福田真之)では、まず“不安を言葉にする”時間から始めます。

 

診査→方針→治療→再評価→維持のフローチャート


 

重度歯周病とは何か —— “骨の支え”が静かに奪われる病気

 

歯周病は「歯ぐきの炎症」ではなく、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けていく病気です。軽度の段階では腫れや出血ですが、重度になると:
 

  • ・歯がグラグラする
  • ・前歯が前方へズレる(病的移動)
  • ・歯と歯の間に隙間ができる
  • ・噛みにくい、食べ物が挟まる
  • ・見た目が変わる

 
痛みが弱いまま進行するため、気づく頃には骨が大きく失われていることも多いのが特徴です。
 
歯周病の進行(健康→軽度→中等度→重度)
 

よくある誤解

 

  • ー歯石を取れば治る → 歯周病は行為1回では治らない。
  • ー年齢のせい → 原因は年齢ではなく“細菌 × 生活習慣 × 力”。
  • ーインプラントが最短 → 残せる天然歯の価値は極めて大きい。

天然歯 vs インプラント断面図
 


 

抜歯回避を見極める3つの軸 —— 感情と合理の両立

 
治療判断は感情も揺れます。「抜きたくない」でも「無理に残すのも怖い」。その迷いを整理するために、マナミ歯科クリニックでは3つの軸を使います。
 

  • ① 可逆性:炎症主体で戻せる?骨の破壊が主?
  • ② 清掃性:清掃の“設計”ができる口か?
  • ③ 総コスト:お金・時間・これからの維持費。

可逆性・清掃性・総コストの三角チャート
 


 

初診〜精密診査の流れ —— “現在地を見える化”する

 

1)ヒアリング

・どんな生活を取り戻したい?
・痛み、見た目、口臭、どれが最優先?
・通院できる頻度は?
・治療体験のトラウマはない?
 

2)口腔内診査

出血・腫れ・歯の動揺・歯列の変化を確認。
 

3)歯周ポケット測定

深さ・出血の有無を数値化。これが治療の“地図”になる。
歯周ポケット測定の図
 

4)噛み合わせ診査

外傷性咬合(噛み合わせの過負荷)をチェック。
 

5)レントゲン/CT

骨の欠損形態(水平性/垂直性)を診断し、保存の可否を予測。
レントゲン/CT確認の図
 

6)リスク評価

喫煙/糖代謝/口呼吸/睡眠/歯ぎしりなど。
 

7)短期目標の提示

「6週間で出血率を半減」「噛む痛みを固定で軽減」など。
 


 

なぜ歯は動くのか —— “炎症 × 力”の相乗攻撃

 

骨を溶かすのは炎症。しかしそれと同じくらい重要な要素が“力”。
 

  • ・片側噛み
  • ・噛みしめ・食いしばり
  • ・合わない被せ物
  • ・欠損放置による偏った力

 

炎症がある状態で力が偏ると、骨は自分を守るために“逃げるように吸収”します。これが病的移動重度歯周病の加速につながります。
 
噛み合わせ過負荷 → 改善の2コマ図
 


 

治療の全体像 —— 4つのフェーズで「静かな口」に

 

フェーズ0:炎症コントロール(2〜6週間)

 

  • ・SRP(徹底クリーニング)
  • ・正しいブラッシング習得
  • ・必要に応じて一時固定

SRP・ブラッシング・歯間ブラシのアイコンセット
 

フェーズ1:原因除去(6〜12週間)

 

  • ・深いポケットへのアプローチ
  • ・噛み合わせの微調整
  • ・再評価で効果を確認

 

フェーズ2:再生療法(必要な部位)

 
形の整った垂直性欠損に対して、感染コントロールが整っていれば再生療法が成功しやすい。
再生療法の模式図
 

フェーズ3:補綴・仕上げ・維持

 

  • ・清掃性重視の被せ物
  • ・ナイトガードで負荷コントロール
  • ・3〜4ヶ月ごとのSPT(メインテナンス)

 
4フェーズ階段図
 


 

再生療法は“魔法”ではない —— 成否は“環境”で決まる

 
再生療法の成功率は、施術そのものよりも「環境」で決まります。
 

  • ・形の良い垂直性欠損である
  • ・感染がコントロールされている
  • ・清掃性が確保されている
  • ・噛み合わせの力が整っている
  • ・術後セルフケアを続けられる

 
逆に、喫煙・清掃不足・力の偏りがある状態では結果が出にくくなります。
 


 

咬合(力)のデザイン —— スプリントと調整で「静かな口」をつくる

 

  • ・夜間の負荷を防ぐスプリント
  • ・強く当たる点を微調整する咬合調整
  • ・欠損補綴を早めに入れることでバランスを改善

咬合バランス図
 


 

補綴(被せ物)で再発率は変わる —— 境目の“設計”が重要

 
被せ物の境目(マージン)の位置と形は、再発率に大きく影響します。
 

  • ・深い位置に境目があるとプラークが溜まりやすい
  • ・厚みや段差があると磨き残しが発生
  • ・審美領域では歯ぐきの厚み・高さも重要

 


 

セルフケアの黄金比 —— 1日8分の投資で未来が変わる

 

朝:2分

歯間ブラシ+軽いブラッシング
 

夜:6分

45°ブラッシング+フロス+舌ケア
45°ブラッシング説明図
 
“順番・角度・圧・道具選び”を整えるだけで治療結果は劇的に変わります。
 


 

生活習慣が治療結果に影響する理由

 

  • 口呼吸:乾燥で細菌が増えやすい
  • 睡眠:睡眠不足は炎症を悪化させる
  • ストレス:噛みしめ増加
  • 栄養:繊維質の食材で唾液UP
  • 喫煙:治癒の敵No.1。まずは本数の見える化から

 


 

症例ストーリー①:40代男性・前歯の動揺と口臭

 
営業職で人前に立つことが多く、前歯の隙間拡大と口臭に悩んで来院。出血率は40%。
 

フェーズ0(6週間)

 
SRP、セルフケア指導、スプリントで出血率20%へ。
 

フェーズ1(8週間)

 
噛み合わせ調整、仮補綴で清掃性を検証。

フェーズ2

 
前歯部で再生療法。術後の清掃性が大きく改善。

フェーズ3

 
最終補綴+SPTで安定。
 
症例① Before→After(前歯の隙間・炎症改善)
 
「人前で手で口を隠さなくなった」という感想。
 


 

症例ストーリー②:60代女性・奥歯の痛みと動揺

 
介護で通院時間に制約。奥歯の動揺と痛みで来院。
 

フェーズ0(4週間)

 
短期集中でSRPを実施。
 

フェーズ1(6週間)

 
一時固定を行い、揺れによる不安を軽減。咬合調整で過負荷を減らし、仮のブリッジで噛み合わせのバランスを改善。
 

フェーズ2

 
保存困難な1本は抜歯し、清掃性の良いブリッジを設計。他の部位は再生療法で骨の改善を図る。
 

フェーズ3

 最終補綴+ナイトガードを導入し、安定した咬合へ。
噛み合わせバランスが改善し左右で噛めるようになった様子
 
「左右で噛めるようになり、食事が楽しくなった」「通院回数が想像より少なく済んで助かった」との声。
 


 

期間と費用の目安 —— 現実的なロードマップを知る

 
症例により異なりますが、平均的な流れは次の通りです。
 

  • 初期・基礎治療(2〜3か月)
    診査→SRP→再評価。通院は2〜5回ほど。
  •  

  • 再生療法・外科(必要な場合:1〜3回)
    麻酔下での短時間の処置が中心。多くは数日の軽度な腫れで回復。
  •  

  • 補綴治療(1〜2か月)
    仮歯で清掃性と噛み合わせを確認し、最終補綴へ。
  •  

  • メインテナンス(3〜4か月ごと)
    再発防止の要。患者さんの生活に合わせて周期を調整。
  •  

治療スケジュール・タイムライン
 
総額は症例により異なりますが、「最初の相談時点でおおよそのレンジを共有」し、「治療中の変更は随時見直す」ことで、驚きの少ない治療計画が実現できます。
 


 

セカンドオピニオン —— 納得のための“第2の意見”

 
「本当に抜歯なのか?」「別の方法はないのか?」——そう考えるのは自然です。セカンドオピニオンは治療放棄でも、転院の意思表示でもありません。
『納得して治療を選ぶための権利』です。
 

持参すると役立つもの

 

  • ・レントゲン/CTデータ
  • ・これまでの治療歴
  • ・服薬リスト
  • ・優先順位(残したい/期間/費用)

 

相談を成功させる3つのポイント

 

  • 最優先事項を先に伝える(例:残したい、痛みを取りたい、時間がない)
  • “残す/抜く/再建”を同じ視点で比較
  • “戻る選択肢”も含めてフラットに相談する

セカンドオピニオンの準備物チェックリストの図
 


 

よくある質問(Q&A)

 

Q. 治療は痛いですか?

処置中は麻酔で痛みをコントロールします。術後の腫れや違和感は多くが数日で軽減します。
 

Q. 忙しくて通院が難しいのですが?

短期集中治療で通院を圧縮することもできます。その場合、自宅ケアの比率が大きくなり、治療成功には“セルフケアの精度”が鍵になります。
 

Q. 再発しませんか?

再発リスクをゼロにすることはできませんが、清掃性・咬合・生活習慣の3点が整えば、“再発しにくい環境”にできます。SPTで早期発見・早期消火が可能です。
 

Q. インプラントと保存治療、どちらが良いですか?

残せる歯は資産です。短期の便利さだけで選ばず、長期コストや清掃性も踏まえ、一緒に比較しながら決めていきます。
 


 

院長メッセージ —— あなたの“ふつうの日常”を取り戻すために

院長・福田真之:
 
「重度歯周病は、“怖いのに痛みが弱い”という非常に厄介な病気です。だからこそ、気づいたときには自分を責めてしまう方もいます。でも、責める必要はありません。
 
私たちの役割は、不安を小さくし、成功体験を積める治療設計を作ることです。治療は短距離走の連続。あなたのペースで、一歩ずつ確実に進んでいきましょう。
 
“噛める・笑える・匂いが気にならない”——そんな当たり前の日常を、一緒に取り戻しましょう。」
 


 

受診・相談のご案内

  • 初回相談:30〜45分(相談内容により変わる場合がございます)
  • 精密診査:レントゲン/CT/ポケット測定を行い、複数の治療案をご提示
  • セカンドオピニオン歓迎:比較の“ものさし”を一緒に作ります

 

歯周病治療
セカンドオピニオン
根管治療
口臭専門外来
インプラント治療

 


 

まとめ —— 壊れる流れから、安定の型へ

 

  • 歯周病は静かに進むからこそ、早い段階で気づくことが大切。
  • 治療は4つのフェーズで進めると成功しやすい。
  • 炎症×力×生活習慣を整えることで、長期安定は十分可能。
  • あなたの生活に合った治療設計こそ最良の方法。

 
治療前後(炎症→改善)+笑顔人物

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