2019年2月11日
インプラントは歯を失った時、歯の根の代わりにチタンネジを骨に埋め込み、その上に人工歯を装着します。チタンネジはしっかりと骨に固定されているのでインプラントで装着された歯は天然歯とほぼ変わらない咀嚼力を発揮します。
しかし、歯が抜けた部分の骨にチタンネジを埋め込んでもそれだけでチタンネジが固定されるわけではありません。チタンネジが骨に固着されているのはオッセオインテグレーションと呼ばれる現象が起きているからなのです。
オッセオインテグレーションはインプラント治療を開発したスウェーデンのブローネンマルクが1950年代に兎を使った実験で発見し、それを応用したインプラント治療を1960年代に確立しました。
インプラント施術で埋め込まれたチタンネジは組織が回復することでしっかりと骨に固定されるのは実はかなり複雑な過程です。骨とチタンネジの間は電子顕微鏡レベルで拡大するとコラーゲンの軟組織が形成されています。さらにチタンネジの表面と骨組織との間には何層かの化学的な結合があります。
インプラント施術でチタンネジを埋入した後、オッセオインテグレーションがしっかりとネジを固定するまで時間が必要です。また、オッセオインテグレーションがうまく形成されないとチタンネジが固定されずネジが脱落してしまうことがあります。この場合はインプラントは失敗になってしまいます。
インプラントの成功率を高めるためには様々な事に配慮する必要がありますが、チタンネジの表面を電子顕微鏡レベルでどのような状態にすればよいかはオッセオインテグレーションの成否を決める上で非常に重要です。
世界には100社とも言われるインプラント製造メーカーがありますが、チタンネジがオッセオインテグレーションに適しているかどうかはチタンネジの品質を左右します。そしてそこには電子顕微鏡レベルの材料技術の違いが関係しているのです。
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