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インプラントは失敗しませんか?

2018年5月4日

インプラントにより天然歯とほとんど変わらない咀嚼力が得られる



インプラントは失われた歯の咀嚼力をほとんど完全に回復する優れた治療法です。反面、チタンネジを骨に埋め込んで歯根の代わりにするという方法に不安を感じる方もいるのも事実です。しかも世の中ではインプラントの危険や失敗の情報があふれています。インプラントに失敗はないのでしょうか。

結論から言えばインプラントも治療である以上、他の歯科治療同様失敗はありえます。しかし、そもそもインプラントの失敗とはどんなものなのでしょうか。忘れがちですが歯科治療は首から上、血管や神経の沢山詰まった体の中でももっとも重要な部分にあります。

インプラントで土台となるチタンネジを埋入する時、神経や血管を傷つけるようなことがあると危険です。そのような可能性を避けるために、インプラントの術前にはCT撮影が欠かせません。CTはレントゲンと違い血管や神経を見ることができ、それらの場所を知ることができます。

インプラントの術前にはCT撮影が欠かせない



CTの撮影により、骨に十分な厚みがあるかなど、インプラント治療の成功にとって十分な情報を得るとこもできます。さらに、CTで得られた画像をデータとして取り込み最適な埋入角度を事前に知るこためにコンピュータでシミュレーションを行うこともできます。

コンピューターによるシミュレーション結果通り正確に埋入するために、予めチタンネジの方向を決める、ガイデッドオペレーションと呼ばれる手段も最近は使われるようになってきました。これはすべてのインプラントでは必ずしも必要ではありませんが、より微妙で正確性を要求されるケースでは強力なツールです。

正確、精密な手術にはコンピューターやCTの助けだけではなく、多くの手術を経験した歯科医師の診断が重要です。適確な診断は正確な手術とともにインプラントを成功に導く両輪です。そして診断には歯科医師だけでなく内科的な疾患がないかどうかの判断も必要です。血液検査を内科医院などで事前に行うことは大切です。

しかし、努力を尽くし、高い技術、最新の設備があってもインプラントの失敗を完全になくすことはできません。骨に埋入るチタンネジは2−3ヶ月の期間を経て骨に固着し一体化するのですが、確率は低いのですがその固着がうまくいかずインプラントロスとなることもあります。

また、生体との親和性が非常に高いと言われるチタンが金属アレルギーを起こす人もいます。確率は極めて小さいのですが、皆無ではない以上インプラントの失敗につながります。人は機械ではありません。工業製品のように規格化されすべてが同じではなく、豊富な経験を超える事もありえます。

とは言っても、あらゆる治療には失敗があります。そして歯を失った時に、インプラント以外の解決策であるブリッジが健全な歯を削り耐久性で劣ることや、入れ歯が咀嚼力、利便性で劣ることを考えるとインプラントのメリットは失敗によるリスクを大きく上回ると考えられるます。インプラントは、50年以上の歴史は無数と言ってもよい症例がある確率された歯科治療の一つです。リスクとメリットのバランスは大きくメリットに傾いていると言って良いでしょう。

インプラントは確率された歯科治療

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