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失活歯(しっかつし)は死んだ歯?

2020年1月29日

失活歯(一番左の歯)のように色が変色する



歯は表面のエナメル質、その下にある象牙質に覆われた歯髄と呼ばれる部分があります。歯髄の中には神経や血管が収められているのですが、歯髄が無くなった(いわゆる神経を取った)り、機能が無くなった歯を失活歯(しっかつし)と呼びます。神経や血管が活動し、歯髄が機能を保っている歯を生活歯と言います。

失活歯は歯髄が機能を失ってしばらくすると、次第に変色して、黄ばんだり黒ずんだりして変色してきます。これは歯髄が機能を失うことで、中の血管や象牙質の中を張り巡らされている象牙細管と呼ばれる細い管の中のタンパク質が変性するためです。

歯が失活歯となるのは、一つは虫歯が歯髄まで進行して歯髄を除去する、神経を取る必要があった場合です。虫歯が進行することで、神経を取る前に歯髄が機能を失い失活歯になってしまうこともあります。

虫歯が進行すると歯髄を取らなくてはいけないこともある



虫歯以外で失活歯になる主な原因は歯に打撲などで大きな衝撃を与えることです。これは転倒や球技でボールが当たるなど色々な理由がありますが、幸い歯を失うことは防げても、時間が経つと次第に歯が変色することで失活歯になったことがわかります。

転んで歯がダメージを受けて失活することもある



失活歯は弱いと言われることがよくあります。特に変色した失活歯を見ると「失活歯は死んだ歯」と思うのも無理はないでしょう。歯髄にある血管から歯に栄養を補給することができなくなるので、歯が弱くなってしまうというのです。

しかし、元々歯は新陳代謝をしているわけではありません。骨は骨折しても細胞分裂で折れた部分が修復されますが、歯は細胞分裂をしないので、欠けた歯が戻ることはありません。歯髄を取って歯に栄養が行き届かなくなって弱くなるといったことはありません。

失活歯が弱いと思われるのは、虫歯が進行して歯髄を取るまでになると抜歯しなければいけないことが多くなることもあります。また、いったん神経を取ると痛みを感じなくなって虫歯が再発しても気がつかなかったり、歯を強く噛みがちになるといったこともあります。また、打撲で失活したような歯は根の部分も損傷を受けて抜歯になってしまうことも多いということもあります。

失活歯だから弱くなるわけではない、ということを考えると神経を取ることが歯の寿命を縮めるわけではないということになります。むしろ、虫歯の再発を繰り返すことが歯を痛めつけて抜歯になってしまうことが多いので、虫歯の再発がないようにしっかりと治療することが大切です。

虫歯で歯が失活するような場合はクラウン(被せ物)を装着することが多くなりますが、打撲などで失活歯になった場合は変色をホワイトニングで治すことが考えられます。これにはウォーキングブリーチといって、歯の裏側に小さな穴を開けて漂白剤を注入する方法があります。

しかし、ウォーキングブリーチは歯に穴を開けることで、本当に歯を弱くしてしまうので、選択肢としては付け爪のように薄いセラミックの薄片、ラミネートベニアを貼り付ける方が成功確率が高くなります。ただし、これは歯の状況で一概には言えないので、実際には歯科医院でよく相談して判断すべきでしょう。

ラミネートべニアはセラミックの薄片を付け爪のように貼り付ける

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