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歯を残す精密根管治療、抜歯してインプラント、どちらをどう選ぶか

2020.06.29

治療には様々な選択肢がある


日本人が歯を失う一番の原因は歯周病です。しかし、虫歯が進行して、抜髄(ばつずい:神経の除去)を行った後、神経のない歯に膿がたまる根尖性歯周炎を繰り返し、そのたびに歯を削ることで被せ物(クラウン)を装着することができなくなったり、歯が割れてしまう歯根破折を起こして抜歯せざる得なくなることも少なくありません。

しかし、これは根尖性歯周炎などに施される根管治療の成功率が必ずしも高くないということに原因があります。根管治療は、歯を残すことを前提として行われる処置で、一般的には健康保険で行うことが多い治療ですが、保険で限られた材料、時間、器材では、限界があるのも事実です。

健康保険での制限内ではなく、マイクロスコープを用い特殊な薬剤や器具を使う、より専門性の高い根管治療として、精密根管治療があります。精密根管治療では唾液が患部に侵入することを防ぐラバーダムの使用を前提として高度な無菌環境で治療を行います。根管の清掃に用いるリーマーファイルもステンレスではなくニッケルチタンという弾力性、操作性の優れた器具が用いられます。

精密根管治療ではラバーダムは唾液の侵入を防ぐ砦


精密根管治療によって、従来なら抜歯が避けられないようなケースの成功率が大幅に向上しました。これにはマイクロスコープの力もあって、複雑な根管をラバーダムによる無菌状態で治療を行えるようになったため、いわば勘と経験に頼っていた時代と比べて、再治療の必要が著しく減ったことが貢献しています。

これに対しインプラント治療は、歯を失ってから、骨に人工のチタンでできた歯を入れていく方法です。そのため、インプラント治療は骨に負担がかかるので、骨の状況により、難度が増します。骨量が不十分な時は骨造成をおこえ必要があったり、場合によりインプラントそのものが困難なこともあります。しかし、インプラントが適合した場合、その咀嚼力は天然歯とほぼ変わりません。虫歯が進行して抜歯が必要になった時も、インプラントで失った歯の機能を十分に回復することができます。

インプラントは骨に埋め込んだチタンネジを土台に人工歯を装着する


では、根管治療とインプラントとどちらを選択すればよいでしょうか。自分の歯を残すことは大事です。しかし、長い目で見た時に、あまりにも予後の悪い歯を残しておくと、抜歯後のインプラント治療に不利になることがあります。そのような場合は、早急に次の一手、つまり自分の歯を諦めてインプラント治療に移った方がよいでしょう。



根尖性歯周炎がかなり進行した場合、精密根管治療をトライするか、早めに抜歯してインプラントにするかは何を基準に決めればよいでしょうか。ここで「トライ」と言ったのは精密根管治療では、CTやレントゲンで事前に検査を行っても、内部に破折が治療を開始して初めて判明することもあるからです。また、ケースによっては長い間使用に耐えるまで回復するかは不確実な部分があることも事実です。

歯科医師は、時間、労力、費用、を無駄にせず、長い期間予後が安定する予知性の高い治療を選択していきます。つまり、その時点で抜歯を避けられるかどうかだけでなく、最終的にどちらが高い満足度を得られるかを考えます。

精密根管治療の予後の予知性、少なくとも5年から10年くらいはその歯が機能するかが精密根管治療を行うか抜歯してインプラントを行うかの判断の基礎になります。もし、十分な予後を得られるか不確定な要素が大きければ、最初から抜歯、インプラントの治療を選択することが勧められます。

精密根管治療により抜歯を避けるか、抜歯してインプラントを行うかは、インプラントの適合性も含めた総合的な判断です。これは精密根管治療あるいはインプラントだけを専門とする歯科医師がすべてを決められることではありません。両方の専門の歯科医師が共同して治療を受ける患者にとってベストの選択をすることが大切です。

(山根先生記)