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歯医者さん歯を削らないで!

2018年5月6日

歯を削られるのは大嫌い!



歯医者で何が嫌だと言ってがりがりと歯を削られることほど嫌なことはないという方は多いでしょう。歯を削るキーンという音を聞いただけで気分が悪くなるという方も稀ではありません。歯医者ではできるだけ、可能ならばまったく歯を削らないで治療したいという思いは患者様に共通のものだと思います。

歯を削るのはなぜ?



そもそも、歯医者が歯を削るのはなぜなのでしょうか。一つは噛み合わせの調整があります。歯は加齢など様々な理由で噛み合わせが狂うことがあります。そのような時は、歯を削って噛み合わせを調整することも必要です。また、技工物を装着した時に、技工物だけでなくその反対側、対合歯を削って調整を行うこともあります。

しかし、噛み合わさせの調整で歯を削る場合は、削減量は非常にわずかです。歯の形が変わるようなことはありません。それでも削られる不快感はあるでしょうが、噛み合わせの調整で歯質を大きく失うようなことはありません。歯を削る必要があるのは何と言っても虫歯が一番の原因です。

虫歯が進行すると歯を削る必要がある



虫歯は食べ物に含まれる糖分が虫歯菌で酸性の物質に変化して、石灰分でできている歯を溶かす疾病です。これに対し唾液には酸性の物質で失われた石灰分を補う再石灰化という働きがあります。

虫歯がごく初期の段階、痛みも何も感じず歯の表面のエナメル質の部分がわずかに白濁しているような場合は、歯を削ることは普通はしません。フッ素塗布を行い、歯磨きを励行することで歯の再石灰化により虫歯の進行を止めることができるからです。

ところが一定以上虫歯が進行すると、虫歯菌で侵された部分を取り除かないと虫歯の進行を止めることができなくなってしまいます。こうなると歯を削る必要がどうしても出てきます。

虫歯が進行すると歯を削る必要がある



ただ、歯を削るのは虫歯で侵された部分を除去するためだけではありません。虫歯治療で歯を削った後は詰め物や被せ物をしますが、その時金属製の詰め物はしっかり歯にはまるように歯を削ることが必要です。これは金属の詰め物は歯にはめ込む合着と呼ばれる方法で歯に付けられるからです。

これに対し接着と呼ばれる方法で歯に付けられるセラミックやレジンは削減量がより少なくてすみます(詳しくは「意外と知らない金属とセラミックの違い-合着と接着」)


金属の詰め物は合着で固定する



歯をできるだけ削らない治療法はMI(最小の浸潤)と呼ばれます。MIは歯をできるだけ削らないという意味で、再石灰化を促すことでまったく歯を削らずに虫歯治療を行うことも含まれます。

世の中にはレーザー治療で歯を削らないとか薬品などを使って虫歯を削らずに治す治療法が話題になることはあります。しかし、今のところ虫歯菌で侵された歯質は再石灰化で進行が止められない限り、削らずに治すことはできないというのが学会の主流です。レーザー治療もドリルを使わなくても、虫歯で侵された部分を取り除くという点では同じです。麻酔も必要になることがある点も同じです。

虫歯で歯質を失い続けると、最後は歯としては機能することも被せ物で補うこともできず、抜歯しか手段がなくなる段階まで進みます。できるだけ削らずに治療をしたいというのは患者様だけでなく歯医者も同じです。虫歯は初期のうちに治療する。それにより削る必要を最小限、場合により必要性そのものをなくす。そのためには日ごろの歯磨きが一番です。歯磨きの励行こそが歯を削るのをふせぐ一番の方法と言えるでしょう。

歯を削らないようにするためには日ごろの歯磨きが大切

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