「歯がしみる」時に考えられる異常
2021年2月27日
冷たいものを口にした時に「歯がしみる」経験は、ほとんどの方が経験していることかと思います。歯がしみるということは、何らかの異常が考えられますが、必ずしも積極的な治療が必要であるわけではありません。
例えば、象牙質知覚過敏症では、冷たいものしみるようになりますが、虫歯のように細菌感染が起こっているわけではありません。歯の一番外側を覆っているエナメル質が薄くなったり、傷が付いたりすることで発症しやすくなる病気です。
虫歯が歯髄まで進行した歯の図
象牙質には、歯の神経が一部、分布しており、エナメル質の摩耗や亀裂などで外からの刺激が伝わりやすくなると、知覚過敏を引き起こします。そんな象牙質知覚過敏に対しては、フッ素塗布による再石化化の促進やレジンによるコーティングなどが有効です。軽度であれば、経過を診ていくだけで症状が消えていく場合もあります。
次に、積極的な治療が必要となるケースとしては、虫歯や歯周病が挙げられます。虫歯は細菌によって歯質が溶かされていく病気であり、進行する過程で冷たいものだけでなく、熱い物や甘い物までしみるようになります。
歯周病によって歯茎が下がり、歯根面が露出することでも“歯がしみる”症状が現れます。歯根面にはそもそもエナメル質が存在しておらず、象牙質やセメント質がむき出しの状態となっています。外からの刺激を受けやすく、知覚過敏症のリスクも高まります。いずれも根本的な原因となっている病気を治さなければ、歯がしみる症状も改善されます。
ちなみに、歯科治療を受けた直後の知覚過敏は、一過性の症状となるケースがほとんどです。歯の切削処置などにより、歯髄へ過剰な負担がかかることで、一時的な知覚過敏を引き起こすことがあります。数日経過しても症状が軽くならない場合は、何らかの異常が疑われます。早期に歯科を受診しましょう。
中野の歯医者 マナミ歯科クリニック