2020年8月14日
ワイヤーを用いる歯列矯正は、歯の表側にブラケットやワイヤーを設置します。「表側矯正」とも呼ばれる方法ですが、矯正を受けているのが目立ちやすいということが、大きな欠点の一つといえます。その欠点を無くした「目立たない矯正装置」が裏側矯正です。
透明なマウスピースを使った矯正を行えが目立ちやすさという問題はなくなります。ワイヤー矯正でも目立たなくさせることは可能です。それがタイトルにもある「裏側矯正」です。
歯列の裏側にブラケットやワイヤーを設置する矯正法で、審美面において極めて良好であるといえます。すべてのパーツが裏側にあることから、正面からは矯正装置がまったく見えないのです。
また、装置の位置関係上、裏側矯正では虫歯や歯周病のリスクが低くなります。なぜなら、歯列の内側は絶えず唾液によって湿っているからです。すぐ近くに舌下腺の開口部があり、安静時にも唾液が分泌されています。唾液には、食べ物や汚れを洗い流す自浄作用に加え、殺菌作用や抗菌作用も期待できます。裏側矯正は、そうした唾液の恩恵を受けやすい環境にあるといえます。
その他、前歯を後方移動させやすかったり、舌癖を防止する作用が期待できたりするなど、表側矯正にはないさまざまなメリットが存在しています。ただし、装着時の違和感は、表側矯正よりも高くなる傾向にあります。発音がしにくいのもこの装置の特徴です。とくにサ行、タ行、ラ行の発音には障害が現れやすくなります。いずれも慣れることで症状は改善されます。
ブラッシングが難しいのも裏側矯正の大きなデメリットのひとつです。表側矯正であれば、鏡を見ながら手を動かすことも可能ですが、裏側となると盲目的な操作にならざるを得ません。この点は適切なブラッシング指導を受けるとともに、定期的なプロフェッショナルケアを実施することで改善できます。
このように、裏側矯正にはメリットとデメリットの両方があるため、必ずしも万能な矯正法とはいえません。ですから、装置が目立ちやすい上顎のみ裏側にして、下顎は表側矯正にするという方法もよく採られます。マスピース矯正と合わせて目立たない矯正への選択肢と言えます。
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