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うま味の感受性は唾液の性質で決まる?

2024年8月2日

 

味覚には甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の5種類があります。この中でもうま味は、料理の味を引き立たせる重要な要素で、100年ほど前に日本で東京大学の池田菊苗によって発見されました。そんなうま味は唾液の緩衝能によって感受性が変わることを岡山大学の研究グループが明らかにしました。

 

この研究では、安静時唾液分泌量と唾液緩衝能に対する5つの基本味の感受性を測定し、その結果うま味に関しては、どちらも高い方が感じやすいことがわかったのです。つまり、たくさん唾液が出ている人や唾液緩衝能が高い人は、グルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸といったうま味を感じやすく、食事を楽しみやすいといえるでしょう。

 

唾液緩衝能とは、口内環境が酸性やアルカリ性などに傾いた際、中性へと戻す性質で、虫歯予防にも寄与します。唾液分泌量も多いほど、抗菌作用・殺菌作用・自浄作用・再石灰化作用を発揮しやすくなることから、虫歯や歯周病を予防しやすくなるといえるでしょう。逆に、口呼吸や喫煙習慣、歯の喪失によるそしゃく機能の低下などで唾液の量が減っている人は、口腔内の病気になりやすいだけでなく、食事の味も感じにくくなっているのかもしれません。

 

このように、口腔内の健康状態を維持することは、唾液の分泌量や性能を正常に保つことができ、ひいてはうま味を感じやすくなることで食事の満足度の向上にもつながります。今回は、一般的な口腔衛生とは少し観点の異なるテーマとなりましたが、幅広い知識を学んでおくことで、口腔ケアへのモチベーションも高くなるかと思います。

 

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