2023年4月20日
「お口ぽかん」は、皆さんが想像する以上に子どもの発育を悪くすることがあります。健康保険制度は、お口ぽかんを始めとした「口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)」の治療を保険で行えるようにしているのです。
口腔機能発達不全症とは、食べる・飲み込む・話す・呼吸する機能が十分に発達しない状態で、先天性の疾患がないことが前提条件となります。つまり、生まれ持っての身体的・肉体的な障害などがないにも関わらず、口を閉じることができない(お口ぽかん)、ごはんを上手く食べられない、赤ちゃん言葉がなおらないといった症状が認められる場合に、口腔機能発達不全症と診断されて、保険での治療が受けられるようになります。
とはいえ、お口ぽかんや滑舌の悪さ、嚥下障害などは、比較的簡便なトレーニングで改善できるケースがほとんどであり、何か大きな手術をしなければならないというわけではありませんので、その点はあまり心配は必要ありません。具体的には、口腔筋機能療法である「MFT」や「あいうべ体操」などを通じて、口唇・頬・舌の筋肉を鍛えます。
そうした口腔周囲筋をバランスよくトレーニングすることで、食べる・飲み込む・話す・呼吸する機能も正常化されていきます。ひいては、歯列に適切な圧力が加わり、顎骨の骨の発育も促されることから、歯並び・噛み合わせにまで良い影響が及びます。逆に言うと、お口ぽかんを軽く見て放置していると、上手くかめない、飲み込めない、顎の骨が成長せず、歯並びも悪くなるという負のスパイラルへと陥ってしまいますので十分に注意しなければなりません。
このように、お口ポカンは具体的な治療やトレーニングが必要となり得る悪習慣といえます。お子さまの食べ方やしゃべり方、呼吸の仕方に気になる点があれば口腔機能発達不全症の治療を保険で行うことができますす。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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