2024年3月7日
1日に行う歯磨きの回数やブラッシング後のうがいの是非、歯ブラシの交換頻度などは諸説あり、何を参考にすべきかよくわからないというのが現実です。そこでひとつの目安となる考え方をFDI(世界歯科連盟)が発表しました。これは2000〜2022年までに発表された沢山の論文を評価して、歯磨きに関する考え方を専門家たちがまとめた意見です。
まず、歯磨きは1日2回が適当で、1回あたり2分程度はブラッシングする必要があります。とくに就寝前のブラッシングは重要であることが強調されています。就寝中は唾液の分泌が低下するため、汚れが残っていると虫歯・歯周病リスクが大きく上昇してしまうのです。
子供の歯磨きを始める時期は「最初の歯が生えてからすぐ」が適切で、ひとり磨きが十分に行えるようになるまでは、仕上げ磨きを継続する必要があります。ですから、仕上げ磨きの継続は“何歳まで”というように、年齢で判断するのではなく、あくまで子供自身がひとりで口腔ケアを行えるようになるまでは、家族がサポートすべきなのです。
フッ素入り歯磨き粉を使っている場合は、ブラッシング後に唾や余計な歯磨剤を吐き出すことはOKで、水でうがいをしたり、マウスウォッシュで洗口したりするのは基本的にNGです。なぜならフッ素が洗い流されて、その効果が減弱するからです。
歯磨き粉のフッ素濃度は、6歳くらいまでは1000ppm、7歳以上は1000~1500ppmが推奨され、虫歯リスクが高い成人および10歳以上の子供に関しては、高濃度のフッ素入り歯磨き粉の処方の必要性が考慮されますが、日本の場合は、歯科医院でフッ素塗布を受けるのが適切です。
誰もが気になる歯ブラシの交換頻度は、3~4ヵ月ごとが適切ではありますが、毛先が擦り切れたり、不衛生な状態になったりした場合は、その時点で新しいものにする必要があります。
今回の内容は、あくまでFDIが推奨する歯磨きの基本的な考え方なので、参考程度にとどまることが大切です。上記の内容を最低限のラインとして、より自分に合った口腔ケアの方法を模索していくのが良いでしょう。そんな口腔ケアに関する疑問や不安がある方は、歯科医師、歯科衛生士とご相談ください。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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