2021年3月25日
一般的な小児矯正は、5~6歳くらいから開始するのが適切です。永久歯列へと切り替わる時期でもあり、出っ歯や乱ぐい歯などを効率良く改善できます。ただし、受け口は例外といえます。おそらく皆さんも、受け口や反対咬合は、早期に治療を開始した方が良いという話を耳にしたことがあると思います。
受け口とは、専門的には「下顎前突(かがくぜんとつ)」と呼ばれる不正咬合で、“顎がしゃくれている”と表現されることもあります。特徴的な顔貌を呈することから、コンプレックスとなりやすい歯並びの一種です。
受け口は、上下の顎骨のアンバランスによって生じることがあります。最もわかりやすいのは、下顎骨が長すぎて、前方へと突出するパターンです。このケースでは、下顎骨の成長を抑制することで、受け口の症状を改善できます。
次に、下顎骨は標準的なサイズであるにも関わらず、受け口の症状が認められるケースですが、これは上顎骨の劣成長が原因となっています。上顎骨の成長が遅れているため、下顎が相対的に前方へと突出しているように見えます。このパターンでは、とくに早期の治療が必要となります。
なぜなら、顎骨の成長は、下顎よりも上顎の方が先に終わってしまうからです。脳や神経の発育は、6~7歳頃にピークを迎えるのですが、すぐ近くにある上顎骨も似たような成長曲線を描きます。ですから、骨格の発育状況によっては、3~4歳から矯正を開始した方が良いこともあります。適切な時期を逃すと、矯正の効果が得られにくくなるため要注意です。
いずれにせよ、骨格的な異常に由来する歯並び、かみ合わせの乱れは、早期に診断を受けた方が賢明です。矯正を開始するかどうかは別として、まずは現状を把握しておくことが大切です。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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