2024年3月31日
歯科のホワイトニングは、神経が生きている「生活歯(せいかつし)」が主な施術対象となります。神経が死んでいる「失活歯(しっかつし)」 歯が黒ずんでしまうことがあり、そのような場合には、ホワイトニング効果が期待できないからです。
失活歯が黒ずむのは、歯髄を構成する軟組織が死滅し、細胞が分解される過程で細かい断片となり、歯髄腔(歯の内側)から象牙質へと入り込んで黒ずみになってしまうからです。外傷などで歯髄が失活して歯が全体的に黒ずんでいくのはそのためです。
そうした歯の黒ずみは、インターナルホワイトニングとウォーキングブリーチという方法で改善することができます。どちらも歯髄腔に漂白剤を入れて、歯を白くする方法ですが、施術の手順や得られる効果に違いが見られます。
インターナルホワイトニングは、歯科医院だけで治療が完結する方法です。診療用チェアに横たわった状態で歯の内部に漂白剤を入れ、30~60分くらい経過するとホワイトニング効果が現れます。施術後はすぐに詰め物・被せ物を装着できるため、日常生活に支障をきたすことはありません。ただし、インターナルホワイトニングは後述するウォーキングブリーチよりも歯を白くする効果が比較的低いことから、1回の施術で目標とする白さにすることは難しいといえます。
ウォーキングブリーチは、歯の内側に漂白剤を設置して一時的に蓋をする方法で、施術した日はその状態で帰宅します。歯の中に漂白剤を入れたまま日常生活を送るため、ウォーキングブリーチ(歩きながら漂白をする)という名前が付けられています。漂白剤を入れているのは1~2週間程度で、必要に応じて薬剤を入れ替えます。
ウォーキングブリーチでは、歯の内部の圧力が上昇して不快症状が現れるリスクがあったり、残存する歯質の形態によっては適応ができなかったりするため、インターナルホワイトニングが推奨されるケースもあります。あるいは、より高い効果を期待して、ウォーキングブリーチとインターナルホワイトニングを併用する場合もありますので、施術方法は歯科医師と相談しながら決めると良いでしょう。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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