2023年4月24日
インプラントを使っていて最も怖いのがグラグラとする症状です。インプラントは本来、顎の骨としっかり結合しているものなので、ぐらつくことはあり得ません。そもそもインプラントがグラグラしていたら、人工歯としての機能を果たすことができないでしょう。
インプラントがぐらつく原因は、主に3つが考えられます。1つ目は「上部構造」の異常です。被せ物に相当する上部構造がスクリュー固定式であれば、ネジの緩みによってインプラントがグラグラするように感じます。専用のドライバーでネジを締め直すことで、症状も改善されるでしょう。セメント固定式の場合は、材料の劣化など動揺が生じることもあります。スクリュー固定式ほど簡単には調整できませんが、人工歯根やアバットメントに手を加えずに再治療することは可能です。
2つ目は、「アバットメント」の異常です。人工歯根と上部構造を連結するアバットメントもスクリューのような構造を採っており、使用していく中で緩むことがあります。その結果、上部構造に揺らぎが生じるようになるのです。アバットメントの状態に正常に戻すことで、症状も改善されます。
3つ目は、「インプラント体(=人工歯根)」の異常で、これが最も深刻なトラブルといえます。インプラント体のオッセオインテグレーション(顎の骨との結合)が失われている、あるいは失いかけている状態なので、装置全体が脱落するおそれがあります。多くのケースではその背景にインプラント周囲炎が潜んでいます。噛み合わせが悪くてインプラントに過剰な負担がかかっていたり、歯ぎしりで過剰な咬合圧が加わったりすることでも同様の症状が現れる場合もあるでしょう。いずれにせよ再治療が必要となります。
このように、インプラントがグラグラした場合は、装置のどこかの部位に異常が生じていますので、まずは精密検査を受けましょう。そのまま状態で使い続けると、より深刻な症状を引き起こしてしまうため、一刻も早く主治医に相談することが大切です。
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