インプラントの構造
2019年4月14日
インプラントはインプラント体(歯根部)、アバットメント(支台部)、人工歯(上部構造)の3つの部分に分かれる
インプラントという言葉はよく知られています。しかし、インプラントとは何をするのか、どんなものなのかは実際にインプラント施術を受けた人でないと一般には意外に知られていません。反面、一方で「インプラントは怖い」「インプラントは高い」といったネガティブイメージが広がっている面も否定できません。
インプラントは抜歯で歯を失った時に、人工の歯のを埋め込む治療です。歯は歯根といって根の部分が歯槽骨と呼ばれる土台の骨に埋まって歯を支えています。インプラントは人工の歯根をインプラント体あるいはフィクスチャーと呼ばれるもので代用します。インプラント体は種々の材質がありますが、現在はチタンおよびチタン合金が主流です。
インプラントは抜歯後に天然歯に近い咀嚼力を提供する
チタンが人工歯根なる下部構造の材料に使われるのは、チタンが金属アレルギーを非常に起こしにくいということと、オッセオインテグレーションと言って骨組織と顕微鏡レベルで一体化する優れた性質を持っているかです。
インプラント体と人工歯をつなぐ支台部はアバットメントと呼ばれます。アバットメントも多くはチタンですがジルコニアという人工ダイヤモンドの材料にもなる非常に硬い材質のものも使われます。ジルコニアアバットメントは金属色ではなく白いので、歯茎が下がってアバットメントが露出しても目立ちにくいという利点があります。
アバットメントはインプラント体と一体型のものもありますが、通常は2つの部分に分かれます。このため、インプラント体を埋入た時、アバットメントを最初から装着する1回法と、インプラント体の上に軟組織ができてからアバットメントを入れる2回法の二つの方式があります。
インプラントの土台のネジの一部を露出させる1回法(左)と露出させない2回法(右)
1回法、2回法と混同されることがあるのですが、抜歯後すぐにインプラント体を埋入する即時埋入という術式もあります。1回法や即時埋入はどちらも、手術の回数を減らすという点では患者負担は小さいのですが、適応症はより小さくなります。
人工歯の部分は一般の天然歯の上に被せる被せ物(クラウン)と基本的に同様にセラミックを主として用います。ただ、一般のセラミッククラウンが型取りをしたものに合わせて作られるのに対し、アバットメントに装着されるインプラントの部品の一つとなります。
インプラントはこのようにいくつかの部分にわかれていて、数百社もあると言われるインプラント部材のメーカー同士の互換性はありません。また、生体との親和性、特に骨組織との一体化(オッセオインテグレーション)が順調に行われるための部材の材質と表面加工などに十分に信頼のおけるメーカーのものの使用が望まれます。
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