インプラントを入れてもMRIは受けられますか?
2020年1月20日
MRI検査で気になるインプラント
MRIはMagnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像法)の略です。その名の通りMRIは強い磁気の力で身体の内部を精密に検査する装置です。ただ、MRIは強力な磁場を発生させることから、身に付けている金属によっては撮影の影響がでます。金属製の装身具や義歯(金属を使用したもの)は取り外さなければなりません。ではチタン製の人工歯根を埋め込むインプラントはどうでしょうか。
心臓のペースメーカーや人工内耳など、体内に金属が埋め込まれている場合は、検査そのものを受けられないケースが少なくありません。刺青も磁気に反応するためMRIが使用できないこともあります。
金属がもたらすMRIへの悪影響は、大きく3つに分けられます。1つ目は「画質への影響」です。MRIの撮影時に金属が存在していると「アーチファクト」と呼ばれる画像のゆがみを生じさせることがあります。
画像がゆがんでしまうと、病変を正確に診査することができなくなるため、MRI検査においては致命的な弊害と言えます。ただし、このような現象が起きるのは、金属が磁石に反応する場合です。具体的には鉄、ニッケル、コバルトなどが該当します。インプラントで使用するチタンは磁性に反応せずアーチファクトを生じさせないので画質への影響はありません。
2つ目の悪影響としては、金属がMRIに吸引されて検査が行えなくなる、あるいは装置を損傷するというリスクが挙げられます。MRI検査の前には、金属製のアクセサリーなどをすべて取り外すのはそのためです。ちなみに、インプラントは顎の骨に埋め込まれているますし磁石にも反応しないので装置に吸引される恐れはありません。
チタンネジはMRI撮影に影響しない
3つ目の悪影響は「金属による火傷」です。磁性に反応する金属類は、撮影時に発熱して皮膚などに火傷を負わせることがあります。この点もチタンではMRIによる発熱はなく問題ありません。
ここまで、インプラントはMRIを安全に受けられるということを解説してきましたが、ひとつだけ注意点があります。それはインプラントに義歯をインプラントで固定するために磁性アタッチメントを装着した場合です。
このアタッチメントには「磁性ステンレス」が使われていることから、上述した悪影響が検査時に生じる可能性があるので、検査前に必ず外す必要があります。しかし、磁性アタッチメント式のインプラントであっても、取り外せば安全にMRI検査を受けることができます。
大きな病気やケガをした際には、MRIが重要な情報を提供してくれます。インプラントはそんな深刻な事態における検査の選択肢を狭めるものではありません。
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