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インプラント治療における仮歯の役割

2020年11月11日


 
インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込む特殊な補綴治療です。顎骨とチタン製のフィクスチャーが結合するには、3~6ヶ月程度の期間を要します。入れ歯やブリッジよりも治療期間が長くなるのはそのためです。人工歯である上部構造を装着するのは、最後のプロセスであることから、仮歯の期間が長くなるのもひとつの特徴といえます。
 
インプラント治療中の仮歯には、審美性を回復させるという大切な役割があります。歯列内に欠損がある状態で数ヶ月過ごすのは、精神衛生上良くありません。仮の歯であったとしても、それによって見た目の違和感が解消されるのであれば有益といえます。

 
歯列内の隙間が解消されるということは、不要な歯の移動を防ぐことにもつながります。私たちの歯は、隙間があるとそれを埋めようと移動する傾向があるため、仮歯を設置することで隙間を保つ「保隙(ほげき)」の作用も期待できます。
 
仮歯は、インプラントにおいて極めて重要なポイントとなる“歯肉の形態”にも大きく関与します。インプラントでは歯周病のリスクが高まりますが、それは補綴装置と歯茎との境目が天然歯と異なるためです。シンプルに表現すると、インプラントは天然歯よりも歯茎との境目に汚れがたまりやすくなっています。
 
仮歯によって歯茎の形態を整えられ、天然歯に近い環境を確立できれば、インプラント周囲炎のリスクも大きく減少します。審美面においても優れた上部構造を製作および設置することが可能となります。
 

 
その他、インプラントの仮歯には、患部を外傷や細菌感染から保護したり、発音障害を防止したりする作用も期待できます。このように、インプラントの仮歯は極めて重要な役割を担っているものなので、欠けたり、外れたりした場合はすぐに対処する必要がります。

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