セラミックはなぜ素晴らしいのか
2018年11月13日
白い歯にはセラミック
歯を治療して被せ物(クラウン)や詰め物(インレイ)などの技工物を作ることがあります。その時「銀歯は嫌だから白い物にしたい」といお考えの方が増えています。銀歯だけでなく、昔は優れた素材としてよく使われていた金歯もあまり好まれません。
金属の技工物は不自然と思う人が増えてきた
確かに、金属の技工物は天然歯とは見た目が違います。色が白いセラミックは天然歯の中でも目立たず自然です。しかし、「白い」というだけならセラミック以外にもレジン(一種のプラスチック)という素材があります。セラミックは健康保険がではなく自費治療となりますが、レジンは健康保険での治療も可能です。
セラミックの利点は白いというだけではない
まず金属の技工物とセラミックを比べると、セラミックは密着性が金属より高いということが上げられます。これは歯にセットする時に金属が合着を呼ばれる方法を使うのに対し、接着を行うからです(意外と知らない金属とセラミックの違い-合着と接着)。
それとセラミックは金属アレルギーを起こさないという利点があります。金は金属アレルギーは起こしにくいのですが、技工物で使用される金は強度の確保のために純金ではなく完全に金属アレルギーと無縁ではありません。銀歯になると多種類の金属が含まれ金属アレルギーの可能性はさらに高くなります。
それではレジンではなくセラミックを選択する理由はあるでしょうか。レジンも金属アレルギーを起こさず、接着で歯と結合するという利点は同じです。しかし、残念なことにレジンは強度、硬度の点でセラミックより大きく劣ります。ことのため、被せ物を作るような場合はレジンは金属で補強する必要があります。レジンを使っても金属は使用せざる得なくなるわけです。
実はセラミックでも昔はメタルボンドといって金属で補強したものが主流でした。しかし、技術の進歩でメタルフリーのセラミック技工物が今では普通になりました。
セラミックのレジンに対する利点は強度、硬度だけではありません。天然歯の表面はエナメル質という非常に硬い層で覆われていますが、エナメル質は半透明です。セラミックはこのエネメル質と同様に透明感があり、レジンと比べて白さは同じでもずっと天然歯に近い質感があります。
セラミックは美しさ、強さそして密着性の高さにより二次虫歯を防ぐといった、技工物として非常に優れた特徴を持っています。しかも自分の歯の色に合わた物を作ることができます。セラミックはとても優れた歯科材料です。
セラミックの色合わせ